▼Q.115 愛知県の方からのご相談です。「事業が悪化している会社とは別に、新たに会社を設立すれば(会社分割)、借金返済を事実上免除できる、新しい会社で新規に融資も受けられるという話を聞いたのですが、本当でしょうか」(メールによるご相談事例)

▼A.115

会社分割といっても単純なものではありませんが、この手法を主張する方の根拠は概ね、「別の会社に事業を譲渡する際、事前に債権者の了解は法的に必要がない」ことが背景です。

確かにそうであり、新規に会社をつくること自体は可能です。
が、借入の返済をしなくても済むか、新会社が融資を得られるかについては甚だ疑問です。

最高裁において既に「借金逃れ」のための会社分割については詐害行為として取消しする判例が出ているのです。

また、会社分割そのものは行えたとしても、そのようなことをする企業に金融機関が融資を行うことは考えられません。「また困ったら、別会社に逃げようとするのでは?」と思われるためです。嘘に嘘で塗り固めて、それでも融資を得ようとすれば、もちろんそれは詐欺にあたります。随分と減ってはきましたが、未だに会社分割が成功すると主張しているコンサルタントもいます、ご注意下さい。

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