『 金融機関を放置するな! 』 -2015年07月29日号

私共は事業再生・企業再生という業務を行っていることから金融機関の方とお話しする機会が多いです。また社内にも金融機関OBが多く在籍しています。

そんな金融機関関係者との接点が多い中で、通常時にどの様に金融機関の対応をして行けば良いのか、本日はお伝えしていきます。

まず金融機関は基本、お客さまのことを知りません。このことを金融機関と対応するときの軸としてください。相手はこちらが思っている以上にこちらのことを知りません。これが現実です。

金融機関は担当が定期的に入れ替わります。これはお客さまと深くならないように不正を防ぐ目的でも、使われています。更に引継ぎに関しても引継ぎをするのと受けるのとを1週間で行わなければならず、引継企業も多く引継ぎ情報も限定されます。

財務内容が良好で、プロパー融資しか受けない、経営者保証無しの融資しか受けないような企業は金融機関放置でも構いませんが、中小企業の大半は、金融機関を無視して経営できないという事実があります。

金融機関の担当者はあなたの会社だけを見てくれているのではありません。担当者毎に業種の好みがあるのも事実ですので、まず自社のことを金融機関担当者に知ってもらう必要があります。

ただ会社案内を渡して自社の事業を説明しても、あまり響かない担当者が多いのも事実です。多くの担当者は融資、手数料に興味があるのでそれに関連した話でないといけません。

ではどうすれば良いのか?

まず金融機関の担当者は数値が好きですので、月次の試算表と資金繰り表を提出しましょう。毎月10日までに提出できること簡単なコメントがあるなら、なお良いでしょう。

次に現状の借入金の取引一覧があると良いでしょう。しかし、一覧表は全ての情報(担保評価、保証人、金利等)を開示する必要性がありません。借入日、借入金額、月額返済、現在残高、保証協会有無だけでも十分です。

あと経営計画もあれば説明しておいた方が良いでしょうね。
経営計画を説明することによって、会社の方向性を話すことが出来るのは、金融機関担当者との投資に関する認識を共通・共有するのに有効です。

この時に、今後の経営計画に沿って金融機関に提案を欲しいポイントや彼らの収益になる箇所の説明を強調してされると、担当者の記憶に残っているので、今後担当者がアクションを取りやすくなるでしょう。

よって経営計画と借入金取引一覧で今後と現状を説明しつつ、毎月の試算表と資金繰り表で担当者と定期接点を作っていくのが良いでしょうね。

試算表が早く提出できれば、早期に経営数値が把握できる会社として評価されますし、資金繰り表を提出すれば、しっかり資金管理している会社として貸付する側も安心できる要素ですし、資金繰り予定表があれば、資金管理もしっかりしている会社という評価も高まるでしょう。

やはり金融機関担当者も人ですので、接点が多い先、情報が多い先には提案を行いやすく、関係性が築けてきます。
正常取引している会社は金融機関も一取引先として、情報交換を定期的に進めていくのが良いでしょう。

何かあった時に親身になって対応してくれる金融機関というのは常日頃から、コミュニケーションが取れている金融機関であるのは言うまでもありません。

今週もありがとうございました。

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