ある会社の1コマ <試行錯誤から始まる製品開発>

10月も中旬になると朝夕はかなり気温が低下し、体調を崩されている方も多いようです。
体調管理にはお気をつけください。

今回は、『試行錯誤から始まる製品開発』についてお話をさせて頂きます。

G社は、(【FRP】プラスチック製品)の製造を行っています。
取引先より受注を頂いている通信BOXにソーラーを扉表面に貼り付けてほしいとの要望がありました。当初は、ソーラーパネル貼り付けだから接着材の選択を適正にすれば短時間で製品化は可能だと安易に受注いたしました。しかし、ソーラーパネルと扉の一体成形を要望されているとわかり一度は、断りましたが客先より何度も要望をされチャレンジすることにしました。
製品の中に一枚の板(ソーラー)を入れることで製品表面の仕上がりが汚い。FRPの積層は、ハンドメイドで行いますのでソーラーの上下の泡(ピンホール)をどのようになくすか。
樹脂とガラス繊維を使用しますので光の屈折率(ソーラーの発電に影響)が違い、発電効率が下がる。などの問題が発生しました。
工場技術者は、製品化は無理の無理との判断を行いましたが意地もあり、問題を取り除く為の試行錯誤を始めました。
樹脂の改良、ガラス繊維の変更、硬化剤、積層の構成の変更など様々なテストを行いました。

G社は、型メーカーでもあったのでガラス繊維に対する樹脂量を極力少量にし、強度のある型、製品を生産しておりました。
ある日、逆発想で樹脂リッチの製品を製作するテストを行いました。結果は良好で製品表面は良くなり、ピンポールも大幅に減少しました。
問題は、樹脂リッチ(樹脂過多)による、強度の低下及び屈折率の変化です。
この問題は、樹脂メーカーに相談し解決しました。

結果として取引先の要望どおりの製品が完成いたしました。

あきらめない姿勢と問題の根本(樹脂、ガラス繊維)を基本戻りあらゆるテストを行った結果だと思います。
たとえ失敗してもチャレンジしたことは、今後の仕事の中で役立てることができます。
チャレンジ精神を忘れないことで新たな方向性が生まれます。
幅広く情報収集し、トライ&エラーにて自社ノウハウを構築してみてください。