『 私的整理の波及効果 』 -2017年04月12日号

先週末に同僚と一緒に、一般社団法人 日本事業再生士協会 の総会に参加してきました。

この 日本事業再生士協会 というのは平成18年4月に設立された一般社団法人で、設立の目的は、「 高度な技能かつ豊富な経験を有する
事業再生実務専門家を育成し、認定することにより、 また、職業的専門家としての倫理を高揚することにより、事業再生士 及び 事業再生士補 に対する社会一般の信頼を得ることを目的とする。」というものです。

弊社名古屋オフィスには 私も含め、認定事業再生士(CTP)の資格保有者が2名おります。

このCTP資格は「 事業再生に関する必要かつ十分な知識と経験を有し、再生計画の策定および実行ができ、事業再生実務を行う上での高い職業倫理を有するものに与えられる 」とされています。

資格を取得するには、一定の実務経験や関与件数、他のCTPからの推薦といった基準が設けられて、それらをクリアして初めて資格保有者として明記することが許されます。

現在では、全国で200名程おり、うち中部地方には、20名程おります。

その補佐的な資格であります 事業再生士補 は全国で700名程おり、合わせて1,000名弱の団体となります。毎年、着実に増えてきてますね。

それで総会では、経済産業省の方のお話や、同業者の方々や士業の先生方金融機関の方々との近況報告や情報交換をおこない、久し振りの談笑を楽しみました。

そうした中で、今回、当該団体の理事に新しく選出された弁護士先生のお話に 私的整理 についてのものがありました。

この弁護士先生は事業再生系の弁護士先生でして、一般的な弁護士先生とは異なります。

お話の中で、破産が減ってきた、という話題がありました。

企業が事業継続を断念する場合、単に廃業するという選択ができず、自己破産という 法的整理 の道を選ばざるを得ないことが今までは多々あったとのことです。

これが、最近は 私的整理 のスキームがいくつか出てきたことにより、法人も個人も自己破産せずに事業を閉めたり、他社に買い取ってもらったり、という事例がいくつも出てきているということでした。
(例えば、特定調停、経営者保証ガイドライン、地域経済活性化支援機構による再生支援手続、といったものがこれに当たります)

私的整理 で手続きを進めるということは、例えば金融機関が債権者であることが多いと思いますが、金融機関が了承して債権放棄しれくれることも充分にあり得るということです。

また、経営者保証ガイドラインの手続きも合わせることで、個人において、個人信用情報を傷付けず、再出発を極めて円滑に進めることが可能となります。
(自宅が守れたり、手許に置いておける資金が増えたりすることも可能です)

単なる敗戦処理とは異なり、精神的な負担も全然違いますよね。

こういった実務経験者が増えていくことは事業再生を手がける私達としても嬉しく、また心強く思います。

このような現場のリアルな情報を共有できる団体の資格保有者の一人として、企業経営者の方々の抱える問題の解決に貢献していきたいと思います。

また、改めてお話しできる機会を設けたいと思いますので、ご興味のある方はご参加くださいませ。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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