『 バンクミーティングは、本当に必要? 』 -2017年03月22日号

数年前までは、かなりの大事(例えば、数億円以上の粉飾の開示や、銀行ごとの対応が異なり過ぎて、個別交渉による解決が困難、など)の時に、やむを得ず行う、という感が強かったのですが

ここしばらくは

  • 借り手にとっては、特に取引銀行が多い場合、一つ一つ訪問して交渉するよりも時間的にも手間としても効率的
  • 貸し手にとっては、特にメインバンクを中心に他行が間違いなく同様の支援方針でいるのかどうか、確認することができる
    また、「自分たちだけが知らない事実がない」ことを確認できる

というメリットが着目されて、より積極的に活用されるようになっています。

私としても、特別変わったものではなくなった、必要があって、それで各銀行が納得してくれるのなら、やりましょう、というスタンスです。

◆迷惑な場合もある

しかし、困ったことになる場合もあります。

特別、揉めている何かがある訳ではないのに、

「バンクミーティングをやってください」

と必ず要請をいれてくる銀行。特に下位行。
どうして、と聞くと

「他の銀行の対応を確認したい」

いえ、問題ないですよ、そんなこと聞いてくるの、お宅様だけなんですけど?

「いえ、本部からの指導で…」
「稟議が通りやすいので…」

一番極端なのは〇岡銀行でしょうか。
ほぼ全件、バンクミーティング開催を依頼してくるように思われます。

◆かわし方は、ある

既に合意形成が十分にある状態で、さらにバンクミーティングというのは、その企業を信じていないばかりか、無駄に時間と手間を浪費することですので、とてもお勧めできるものではありません。

信じる、信じないは貸し手判断ですから、最悪やむを得ないとしてもセレモニーとして、稟議を通すためだけにやってくれ、というのはもはや営業妨害でしょう。

とはいえ、そのまま言うと角が立ちますので…、そんな時は

「バンクミーティングをお求めであれば構いませんが、現在、他全ての銀行からは不要と言われていますので、御行の取りまとめでやっていただくことになりますがよろしいでしょうか」
「また、他の全ての銀行は現状で了解をいただいておりますので、「なぜ御行がバンクミーティングを行うのか」その説明をお願いすることになりますが、よろしいでしょうか」

と言えば、大概なかったことになります。
バンクミーティングは、「主催者」が必要で、概ね借り手自身とメインバンクになります。
また、「なぜ行うのか」議題が必要です。

◆やるべきかどうかは、真に必要かどうか

道義上、「やってほしい」というのなら、主催とテーマをお願いすることは、当然ですよね?

こうなると、バンクミーティングを無理に開催させようとする銀行は、他の銀行から

「なんでわざわざやるの?私たちは合意しているよ?」
「なんで、話を複雑にしようとしているの?反対したいの?」

と集中砲火されるのが明らかなので

「やりたくとも、自分が主催ではやりたくない、やりようがない」

のです。
何より、メイン・主力銀行との合意が図れれば、後は本業にまい進するべきです。
セレモニーのみのバンクミーティングは、不要でしょう。

不必要なら、胸を張ってお断りしていただいて、OKです。

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