『 銀行は、本当に変わるの? 』 -2017年02月09日号

「中小企業等経営強化法」
「ローカルベンチマーク」
「金融仲介機能のベンチマーク」
「事業性評価」
「ライフステージ」

等々、金融の新制度が去年より次々と生まれています。
融資を得るための評価項目や、財務指標においても大きな違いがある一方で、銀行からの情報開示がなかなかに進まないため、企業から見るとまだまだ、分かりにくいものです。

また、取組みを行う銀行、まだ姿が見えない銀行、新制度の活用に及び腰な銀行…
銀行ごとに、その取組み姿勢には格差があります。

例えば、1/19には日経において、静岡銀行が事情性評価の取組みを強化することを明らかにしました。

十六銀行では、来期より渉外(営業)担当のノルマを廃止すると発表しています。

どちらも、これまでの銀行の悪癖を正し現在の経済情勢に見合う形で、長期的に融資を強化しよう、という取組みですが…、

そこで、よくいただくご質問。

「本当に、銀行はこれらの新制度を使って担保や保証に依存しない融資を行うのでしょうか?」
「新制度は、銀行にとってあまりにも受入れ難いものではないでしょうか?」

◆変わる、変える、というのはとてもつらい

確かに、平成29年1月現在では、銀行の現場担当者もこれら新制度に対して否定的な方が、まだまだ多いことは否めません。

これまで20年以上に渡って普通にこなしてきたことを別のものに置き換えるのは、誰だって、どんなお仕事でだって簡単にはできません。

一方、新制度は中小企業側に求めているものも多く、自らの事業の持続的な成長性を証明、とまでは言わなくとも相応の決意と根拠をもって開示、アピールしなくてはなりません。

申込だけすれば、誰でも使える、というものではないのですから。

◆やらなければ、銀行も未来はない

それでも…、銀行は今年するか、数年後になるかはともかく新制度の思想は採用せざるを得ません。

銀行だって、今のまま、成り行きで経営していった場合、2025年3月期、10年にも満たない将来に半数以上の地方銀行が本業赤字に転落する、と試算されているのです。
(金融庁の昨年9月発表による)

融資の利ザヤを増やしにくい状態で、融資金額が減少していくばかりなら…、当たり前のこと。

手数料収益の拡大を図ってはいても、それだけで解決しようがありません。
なにしろ、隣の銀行とのダンピング、取り合いも加熱するのですから。

経営陣がその気になるタイミングだけの問題で、やる・やらないで言うなら、新制度はやらなければ、銀行自身にも未来はありません。

しかし、本来の融資機能を取り戻せば、新制度は銀行にとっても、どうしようもなくできないことではありません。

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