『 保証協会付のやり方、忘れちゃいました 』 -2016年10月19日号

先日、お客様と年間の借入計画を立てました。

純資産はマイナスながらも数百万円で、ここ3ヵ年は連続して損益プラスとなっており、収益性に安定感が出てきているお客様です。

メイン行の信用金庫の担当者にも、「すごく頑張っているのがわかります」と評価されました。

こちらの要望も説明し、持ち帰ってもらい、信用金庫内で協議してもらった上で、改めてご提案をいただくことになりました。

ちなみに、こちらの要望は、月額の返済額の圧縮(借入の本数を一部まとめ、減額する)と、プロパー融資の実行(もしくは今回のプロパー融資の実行が難しい場合は、どういった状況になれば可能であるか、の指標提示)です。

2週間ほどで、回答が来ました。

融資額は希望額で、大きな問題はないのですが、内容は、こちらの要望とは、かけ離れたものでした。

また、プロパー融資実行の指標についても、10年先になるような回答で、その指標に到達するときには、借入が不要な財務状態です。

借入を必要としていない企業にしか、プロパー融資を実行しない、というスタンスがわかりました。

以前より、保全重視の傾向はあったのですが、それをお客様共々、確信しました。

お客様も、メイン行の信用金庫の担当者に「すごく頑張っているのがわかります」と言われており、また、回答も、いつもより長い期間をかけてくれていることもあり、担当者が頑張って信用金庫内で取りまとめしてくれているものと期待しておりました。

それが、今回の回答を聞いて、がっかりした、と仰っておりました。
言葉だけでなく、表情にも、憔悴感が出ておりました。

私としては、こうした可能性に備えて、別の金融機関の融資スタンスも聞くべく、以前より親交のある、事業性評価融資の取り組み強化している地方銀行担当者に声掛けしておりました。

その担当者を紹介し、来社していただきました。

この地方銀行にも信用金庫と同様に、こちらの要望を伝えました。

そうした中で、地方銀行担当者から出てきた最初の言葉が、

 「保証協会付融資のやり方、忘れちゃいました」

でした。

こちらの地方銀行は、事業の評価をおこなうことで、そのキャッシュフローで返済できる金額まで、融資期間を伸ばします。

そのため、融資期間は長期になることが多く、自然と保証協会付融資の融資期間の限度を超えるため、当然ながら、プロパー融資となります。

また、敢えて保証協会付融資の枠を空けておくことで、万が一にも備えておくというスタンスを取っています。

先に保証協会付融資枠を埋めてしまっておくと、一時的な赤字補填の融資を受けたいときにでも、プロパー融資は出にくいものです。

逆に保証協会付融資の枠を空けておけば、たとえ赤字補填の融資でも保証協会付融資であれば出やすい、ものとなり、対応可能となります。

そこまで見込んでの対応です。

お客様も、上述の「保証協会付融資のやり方、忘れちゃいました」の言葉に衝撃を受けたようで、こんな金融機関もあるんだ、と驚いておりました。

(回答が出ましたら、またの機会に、メールマガジン上でも掲載させていただきます)

「メイン行」とはどうあるべきか、企業側としても、どうあってほしいか、を常日頃からやり取りし共有しておくことの重要性を再確認する機会でもありました。

あなたの会社のメイン行は、どういった融資スタンスですか?

改めて確認して見ではいかがでしょうか?

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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