『 融資審査AI化の是 』 -2018年05月02日号

◆AI審査は、預金口座の異動内容も審査対象になる

AI審査による融資の手法は、「スコア・レンディング」と呼ばれ、国際的に開発が進んでいるものを日本でも活用しようという試みです。

個人の場合は毎月の自動引き落としの内容や、その連続性法人の場合は毎月の回収実績や支払といったお金のやりとり

を蓄積、評価に繋げるというものですが、それ自体はほぼ人の介入する余地がなく、審査コストも下がることから現在よりも低利での融資が可能になる、と言われています。

さしあたっては、いわゆる「一時審査」にAIを活用して、その後人による審査も入る(特に中小企業などの法人の場合)と予想されますが、順調にいく限りは機械化が進むことでしょう。

◆AI審査は、預金口座の異動データと会計仕訳データを全て取り込む

また、将来的には「会計の仕訳データもAI審査する」とされています。その本意は「会計データと、現預金の異動データをAIが突合して、整合性があれば評価する」ということ。

これまでのように、決算書や試算表という「出来上がった結果」を評価するのではなく、決算書や試算表に至る「プロセス(仕訳や預金の異動)」を評価する、というのは確かにAIだからこそ可能な領分です。

仕訳や預金の異動というの莫大なデータは人間の目で整理し、評価するというのはあまりにも時間と手間がかかってしまいます。

しかし、こうなると…、より評価される企業というのはこれまでと異なるものになってきます。

◆中小企業の場合、より適正な会計処理をしている企業が評価されやすくなる

決算時だけ数字を整えても、評価されにくくなるのです。
日ごろから「会計仕訳の通りに、現預金が動く」ことで信頼性が上がる=評価が上がる、のです。

日常からの習慣がモノを言うこの制度は、粉飾のような処理も意味をなさなくなるため、「融資の借り方」というノウハウが一変する力があります。

なにしろ、「正しく経営していることが最大の評価ポイント」になるのですから。

困ってから借りる方法を考える、というのはもうできなくなる、とお考えください。

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