▼Q.320 かつて当社の融資担当をしていた銀行員が退職し、当社の経理部長として再就職しました。が、思うような融資を得られません。本人もギャップを感じているようで、退職しそうな雰囲気です。銀行OBというのは、そんなものなのでしょうか?

▼A.320

「銀行員OBが会社にいるけれど…」というご相談は、案外と多いものです。個人差はありますので全てがそうだという訳でもありませんが、銀行員のスキルは「融資判断をする」ことではあっても経理や会計・財務実務そのものではありません。

その辺りは個人的に元々学ばれていたか、再就職した会社で改めて学ばない限り、仕事としてお役に立てる程のものにはならないのです。改めてご本人の見解や意向と、会社として求めたいこと本音で話し合うべきです。銀行員としてある程度のスキルがあるなら、「借りられない場合、その理由」はお分かりになっているでしょうから。その上で、業務定義や役割・責任を定めて納得しあえるかどうかが、最終的なポイントになります。また、失礼な申し上げ方かもしれませんが、「元銀行員がいるから借りられる」というのは根本的におかしいです。融資はあくまで会社の状況に対して可否判断がなされます。「借りるために銀行OBを雇用する」より、「借りられるような体質にするため、銀行の考え方も参考にする」と考えなくてはなりません。