「過去の数値を時系列で並べる」

今年2011年、未曾有の大震災が我が日本を襲った事が外部環境の大変革を告げ、断絶の時代の真っただ中にいる日本に多くの機会を与えている。

『過去の数値を時系列で並べる』

あなたの会社の決算書や試算表を時系列で並べてみた事があるだろうか?
私が事業再生で関わっている中小企業では介入当初、当然の様に行っていない。
では、何故行う必要があるのか?

・過去の数値は経営者の意思決定の結果

経営者は会社を運営していく上で様々な意思決定をしていく。その結果が全て決算書や試算表に数値として現れてくる。当然ながら決算が終わった時には経営者自身決算書に目を通し、自社の状況を把握するであろう。予想以上の結果になったり、こんなはずでは無かったと思う事も多いと思う。ではそこからもう一歩踏み込んだ分析をしているのだろうか? 破綻状態へ向かう企業の傾向としては過去の振返りが非常に弱いというのが共通している。

・時系列で数値を並べる

ではどうして時系列で数値を並べる必要があるのだろうか?
時系列で数値を並べる事でそこから浮かび上がる『現象』や『傾向』を見つけ出す為である。先程、申し上げたように数値が経営者の意思決定の結果であるが故に必ずといっていい程『現象』として現れてくる。そして過去3年分程度月次で数値を並べる事で数値の上下が季節変動によるものなのか?外部環境の変化に伴うものなのか? 組織変更によるものなのか? 等など診ていく事で異常値を把握し、原因を分析し、未来への対策を考えて実行していく。この一連の行動は単月の数値だけ見ても判断しようがない。ましてや決算月でリセットされるものではない企業が存続している限り繋がっていくものである。

経営者である以上、将来において何かしらの目標を持っているはずだ。
目標と現状把握、その間にある行動・・・。現状把握を点で捉えるのではなく線で捉える力量を経営者には養って頂きたい。


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