ある会社の1コマ <試行錯誤から生まれた製品>

12月に入り挨拶回などで忙しい日々が続いていることと思います。
例年になく寒さが厳しくなっておりますのでお体お気を付け下さい。

今回は、私が経験しました試作品から新た製品開発の話をさせて頂きます。

M社は、プラスチック成形メーカーです。
プラスチックの中のFRPの成形をやっております。

FRPは主にハンドメイド成形が多く、ガラス繊維を使用し強化プラスチックを成形します。

そこでの悩みが表面にガラス繊維が浮き出ることです。

ある日、断熱塗料の開発を行っている際、火山灰を利用したバルーンを収取することになりました。バルーンはガラスを利用したものがFRPでも利用されていましたが扱い難さ、価格が高いのなどの理由で一部の利用しかありませんでした。

浴槽の断熱性を向上させるためガラスバルーンを使用しましたが表面の滑らかさが出ません。そこで入手した火山灰(シラスバルーン)を2層目に利用したところ断熱効果が向上することがわかりました。

製品化を検討している際、再度表面精度を確認したところ、ガラス目が消え光沢のある商品になっておりました。

シラスバルーン塗料とゲルコート(表面塗料)のバランスを追求したところ2種類の塗料を薄く吹き付けた製品の方がより光沢が出ることがわかりました。

断熱性と表面光沢の両方を兼ね備えた製品ができたのです。

浴槽にとどまらず、ガラス繊維が浮き出て困っている製品にもテストしましたが結果は良好です。特に成形メーカーからは作業性がよく、熟練度が必要ないとの高評価を得ました。

製品開発から塗料開発に切り変え、材料メーカーにOEMを行い、拡販を行っていきました。

製品開発といえば難しく感じるものですが【見る角度を変える】ことで新た製品が生まれました。
自社が直面している問題をあらゆる角度、人員で検討し他の業種で使用している材料をテストしてみる。
自社の課題解決をあきらめない姿勢が大切です。