『 平均値のウソ 』 -2012年10月24日号

現場での活動や、相談などをお受けするとよく自社の業界の平均値はどれぐらいでしょうか?とよく聞かれます。

私自身全ての業種の平均値など到底頭には入っていませんので、民間調査機関や中小企業庁が出している書籍を調べたり
してお伝えしていますが、お客様には参考程度にしてくださいとお伝えしています。

理由は大きく2つ。
『平均値』である事と『業種毎』であるからです。

?と思われる方もいらっしゃるでしょうから一つ一つ説明させて頂きます。

まず『業種毎』についてですが、同じ業種であってもビジネスモデルが違えば全く違う数値になってしまいます。

例えば、一般貨物運送業という業種一つをとっても、自社便をフル活用して売上・利益を上げているモデルと傭車をフル活用して売上・利益を上げているモデルでは社員数・固定費・変動費の費用構造、車をもっているいないでの固定資産・借入金などの固定負債構造が全く違うため、それを業種で纏めても実態とはかけ離れた数値になっている可能性があるからです。

また『平均値』についても同様の事が言えます。

先ほどの違ったビジネスモデルの平均値をとってしまうのは当然ながら『平均』だからです。

平均値は、測定ミスなどによって発生する外れ値(他の値より著しく異なる値)に大きく影響され、誤差が大きくなった
り、無意味な値となることがあるからです。

例えば50、100、50、400、200、100、5000、100、300、200の10個の数値の平均値はいくつになるでしょうか?
合計で6500ですので、平均で650となります。
という事は2番目に大きい数値の400ですら、平均以下という事になってしまいます。

企業でいえば業種内の突出した企業数値(良い悪い含む)で平均値が大きく変動して実態とかけ離れた役に立たない数値になってしまいます。これを私は平均値のウソと言っています。

みなさまは『中央値』という言葉をご存知ですか?

『中央値』とは測定値を大きさの順に並べたとき、その中央に当たる一つの値です。

先ほどの10個の数値を大きさ順に並べると50、100、200、300、400、5000となり中央値は200と300の間の250という事になります。先ほどの400も中央より上という事で『平均値』より現実的ですよね。

なので『平均値』という一側面だけで数値を判断するのではなく、『中央値』という側面も見て多面的に見ながら数値を判断されるのをお勧めします。

今週もありがとうございました。

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