『 交差比率 』 -2012年07月25日号

この言葉は小売業の方であれば当然知ってらっしゃる指標かと思います。

交差比率とは、商品が効率よく利益を生み出しているかを測る指標です。
交差比率は次式で表されます。

  • 交差比率 = 売上総利益率 × 商品回転率

公式をみてもお分かりのように、売上総利益の商品を何回転させたのか? という内容です。

売上総利益が低く、商品回転数が多い商品。売上総利益が高く、商品回転数が少ない商品。どちらが効率よく利益を生み出しているか把握する事が出来ます。

因みに参考までに売上総利益率と商品回転率の公式は

  • 売上総利益率=売上総利益/売上高
  • 商品回転率=一定期間の売上原価/一定期間の平均在庫金額
  • 一定期間の平均在庫金額=(期首在庫金額+期末在庫金額)/2

となります。

一般的に交差比率は高額商品や嗜好性の高い商品ほど交差比率は低く、ドラッグストアやコンビニで売られている日用品ほど交差比率は高くなる傾向があります。

参考までに4つの業種の交差比率がどうなっているかというと

業種売上総利益率 × 商品回転率 = 交差比率
食品小売業24.08% × 34.1回 = 821%
婦人服小売業50.64% × 10回 = 506%
靴小売業39.97% × 6回 = 240%
自転車小売業37.21% × 11.6回 = 432%

※黒字企業平均※
※TSR 中小企業経営指標 平成23年度版より※

ここで注意して頂きたいのは「交差比率が低い=儲からない」「交差比率が高い=儲かる」では無いという事です。食品小売業はかなり高い交差比率を指していますが、店舗運営していくためには固定費が膨大になり、それを補っていくには高い交差比率が必要なのです。この様に業界毎の特徴があるので交差比率の高低では一概に言えません。

まず自社が活動している業界での黒字企業の平均的な「粗利益率」と「商品回転率」を自社と比較してみてください。当然全く一緒という事はあり得ないと思います。そのギャップについて比較検討してみてください。

比較してみて高くて良かった、低くて駄目だっただけで終わればそこで思考は停止します。

その数値は自社の製造から小売りまでの一連の業務フローが導き出した数値です。そのフローを一つ一つ洗い出してください。また同業他社の業務フォローも検証して、自社に取り入れるものは無いか検討してください。

その一つ一つの積み重ねが、交差比率を高め、儲かる企業への道筋をつけます。

また交差比率は小売業だけしか使えない訳ではないという事も覚えて頂ければと思います。見方を変えると面白いですよ。

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