ある会社の1コマ <給与遅配による人材に流出>

まだまだ寒い日が続いておりますが春はもうすぐです。

今回は、給与遅配による人材の流出についてお話をさせて頂きます。

M社は、プラスチック成形メーカーです。[売上1.5億円]<借入;7千万円>
受注もある程度、順調に推移していましたが資金繰り管理を充分にしていないこと及び金融機関への借入依存度が高く受注が減少すれば資金繰りに苦慮する場面がありました。

ただ、経営者は売上至上主義で収支管理を怠っていました。

資金繰りに苦慮し、金融機関への借入を申し込みましたが結果はNGでした。
本来ですと金融機関への返済条件変更交渉、経費見直し、社会保険支払交渉などを行うことが重要ですが資金ショート寸前での対応でしたので従業員に相談し、給与を1ヶ月待ってもらうことで資金確保を行いました。

1ヶ月後、資金確保が困難な状態は解消されず、再度給与遅配の相談を従業員と行いましたが技術者2名が退職の意向を示しました。

説得は行いましたが家族があり今後もこんな状態が続く可能性があるため、退職する意志は固く2名の退職が決定しました。

給与遅配を行う前に資金確保方法は何かないのかより深く考えて頂きたい。

今回の給与遅配が直接退職要因ですが、経営者側の従業員への今までの対応の蓄積が引き金を引きました。

経営者の姿勢が問われる今回の案件です。
従業員は、経営者を見ているものです。その中で会社を選択しています。

経営者が従業員を雇用するということは、その人及び家族の人生を左右しているということを考えどのように対応をしていくのかを深く考えて頂きたい。