▼Q.97 静岡県の方からのご相談です。「直接法のキャッシュフロー計算書と間接法のキャッシュフロー計算書はどちらが良いのでしょうか?」(メールによるご相談事例)

▼A.97

何の為にキャッシュフロー計算書を作成されるのかという目的部分によってどちらが良いのかは異なってきますが、特徴として直接法はキャッシュフロー計算書上で営業収入、仕入支出、人件費支出というように、キャッシュの収入と支出を直接的に加算減算してキャッシュフローを計算・表示する方法です。

したがって、その会計期間における企業のキャッシュフローの収支の全貌が把握しやすい事が挙げられます、資金繰り実績表に近い形ですね。
一方、間接法の方は損益計算書の当期純利益を出発点とし、作成が容易で低コストですむこと、損益計算書の利益とキャッシュフローの収入との関連を示すため損益計算書の最終利益がどれほどのキャッシュの裏づけを持つのかという、資金の裏づけのある収益力を示すことが可能になるという事が挙げられます。
よって将来的なキャッシュフローの予測を行う事を目的としていれば直接法で作成し、キャッシュを増加させる為の課題を抽出したり、資金源となっているものを把握する事を目的とするのであれば間接法で作成する事をお勧めします。因みに間接法は税抜、直接法は税込で作成する点は留意する必要があります。