『 需要を掘り起こす 』 -2013年05月01日号

新規顧客獲得が難しくなっている昨今、少なからず自社商品にロイヤルティを持つ従来顧客を狙ってアプローチをすることで、効率的に来店や購入の上積みを行う必要があります。

不況に伴う需要環境の悪化に対して、ここ数年、企業はさまざまな手段を講じています。
多くの企業では、経費削減といった“インプットを減らす”のみの対策に終始しているのではないでしょうか?

「営業部門の経費削減は、短期的な収益確保には有効ですが、一方で不況時の営業戦略も検討されていないと片手落ちの状況ではないか!

経費削減策のみで景気の回復を待つという、いわば“受け身”の戦略だけではモチベーションが下がったり営業力が弱体化してしまったりといった、思わぬ副作用をもたらすことがあります。
営業部門の営業活動が成果になるまでには、タイムラグがあります。
だからこそ、需要の減った時期に将来の営業に結びつけるための組織的な種まき活動をすべきです。

「種まき活動というのは、お客さまへの講習会や勉強会、PR訪問といったプロモーション活動や顧客企業の抱えるお困りごとへの徹底したお役立ち提案活動です。

【生まれ変わる営業 必須となる3つの変革】
  1. 『引合対応型』営業から脱却
    『引合対応型』営業では客先からもたらされる案件情報を待って営業プロセスを回すという形になります。
    一般的に生産財営業などでは案件のうち8~9割は「引合対応型」によるものです。
    不況時には案件が極端に減るので、こうした待ちの姿勢の営業だと成果の落ち込みが激しくなります。
    今だからこそ、どんな環境下でも有効となる『案件創出型営業』への思い切ったシフトの必要性を実感するのではないでしょうか。
  2. 需要源へのアプローチをあげる。
    「需要環境が悪化しているとき、確かに需要は減っていますが、ゼロ、というわけではありません。
    需要が縮小した場合に、需要の源流である顧客ニーズの現場に『案件創出型営業』で直接働きかけることで、いち早く適切な提案を行うことができます。
    減った需要環境の中で引合を待っていては、その間に情報は他社へも流れていってしまう。
    需要の発生箇所へダイレクトに営業を仕掛けることで、案件数の減少を食い止めることが可能となる。
  3. 従来の成果評価の見直し
    『案件創出型営業』とは、直接的な売り込みではなく、ニーズ喚起の種まき的な活動です。
    短期的成果の追求のみでは、目指す成果がすぐにはあがらず、中途半端な活動に終わってしまいがちです。
    ですから、『案件創出型営業』に合った、新しい評価制度を取り入れるなど、活動を成功させるための工夫を考えなければなりません。

評価してあげる仕組みも需要となります。

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