『 売上至上主義からの脱却 』 -2014年11月19日号

会社の規模や、将来の夢を語ろうとすると、まずは売上でいくら、という表現になることが一般的です。
当然のことです。
売上が大きいということは、それだけ商いが大きく、社員も多く、顧客も、資金も、設備も多く、大きいだろうから。
しかし、会社が苦境になる要因は、無意識的に
「売上しかみてない」
ことが原因の大半であることには注意が必要です。
可能な限り、管理するべきは利益なのに、ついつい忘れられることを確認します。
◆売上増⇒運転資金増、だけではなく、利益が減る?
売上目標だけで企業を運営すると、黒字倒産の引き金になることは有名です。
売上が増加すれば運転資金も増加することが要因であり、資金が追いつかなくなることで、どんなに黒字であっても資金がショートしてしまうこと。
しかし、問題は短期的な資金繰りに留まらず、中長期において収益も悪化させていることを見過ごせません。
売上だけを目標としていることで、
現場では
売上欲しさに「販売単価が下がり」
単価が下がるので「コスト(率)が上がり」
利益(率)低下⇒赤字化します。
資金繰りだけでなく、損益においても不利を招くのです。
問題はそれだけではありません。
社員全体にどれだけの負担を強いるか、という問題にもなります。
◆売上は「会社全体の作業量」
売上は何、と言われれば経営上では色々な表現があります。
「会社(の商品・サービス)に対する期待・支持」
「会社の社会に対する影響度」
等々ですが、ここでは「会社全体の作業量」としてみましょう。
同じ利益なら、作業は少ない方が質の維持が容易ですし、何より皆の負担が少ないですよね。
利益が相応に増えない限り、売上は増えない方が作業は増えません。無理してまで仕事を増やすことはないのです。
よく、「赤字取引と知ってはいるが、人のしがらみで止められない」
という赤字売上の理由を伺います。
程度の問題はあるにせよ、私がどうしても賛成しかねる最大の理由は
◎その売上は、社員が全く報われない作業を、経営者が知っていてさせている
ことにあります。社員のためにも、赤字取引は全力で取引条件を改善するか、取引中止を目指すべきです。
社員あってこその会社なのですから、社員に無駄な作業をさせてしまうのは、もったいないのです。
◆売上減少は金融機関取引において問題か?
売上が下がることで、金融機関の格付けが低下することを心配する経営者の方もいらっしゃいますが、概ね問題ありません。
確かに、金融機関の評価には売上の大小・増減が影響しますが一方で「利益額」「利益率」も影響します。
売上が減少しようとも、利益が改善しているのならばそうそう評点が落ちることはありません。
金融機関の格付け評価というのは、結局のところは
「融資したお金が返済できるのか」
に尽きます。
返済する資金は、一部を除いて売上ではなく、利益(≒キャッシュフロー)から出るのですから、利益がやはり、大事なのです。

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