▼Q.192 弊社には輸出入があり、銀行に与信枠をつくっていただくことで運転資金をまかなってきました。通常の融資与信もあるのですが、どうしてもその条件変更(リスケジュール)が必要になっています。そこで融資担当者に相談したのですが「外国為替与信があるため、リスケはできない」と回答されてしまいました。このままでは資金ショートが避けられないのですが、外為与信があるとリスケジュールはできないのでしょうか?

▼A.192

外為与信というものを単純に言うと、輸出ならば「モノを出した時点でお金を受け取れる」、輸入ならば「モノを販売した後で支払をする」ために、いわば一定期間銀行が立替払をしてくれるようなものです。

よって、融資とは少し異なるとはいえ信用取引であり、融資と合わせて「与信」と呼ばれます(融資ではない与信は他にもあります)。
一般には、リスケジュールを行うと外為与信は閉鎖となるため、
おそらく融資担当者はこの点を「リスケ=外為与信閉鎖、だったらリスケしない方が、まだ資金繰りとしてはいいのでは?」と解釈して回答したように思われます。
が、外為与信そのものはリスケジュールできないとしても、やりようがないわけではありません。
具体的には、「外為与信による銀行の立替金と同額の証貸を実行してもらい、立替金を支払い、残った証貸にリスケジュールを行う」という手法になります。
正直、銀行にとっては手間であり、立替金を実際に支払うまでは外為与信と証貸が両方存在する=与信が増えることから、
通常のリスケジュールよりもハードルは高いものになりますが、決してやってはいけないことではありません。
あくまでも企業の適切な存続と長期的な返済が可能であることが前提ですが、必要に応じて専門家に加わっていただきながら、銀行交渉を行って下さい。