ある会社の1コマ <提案による形状変更>
気温も上昇し、夏に近づいているなーと感じる日が多くなってきました。水分補給をしっかりし、体調管理には十分気をつけてください。
今回は、提案による製品の形状変更について話をさせて頂きます。
M社は、プラスチック成形をおこなう会社です。メーカーより図面を入手し、原形型→マスター型→生産型を製作提供している会社です。特殊な製品は、自社及び協力工場にて生産をおこなっています。
大手のメーカーとの取引ですので提供された図面どおりに型、製品を提供するよう努力しています。
ただ、どうしても図面上と型の整合性がとれない場合は、相談し変更してもらっていました。
量産用の製品を受注した際、型は問題なく完成しましたが製品の量産を続けていく中で問題点が発生しました。
時間がかかる、気泡が出やすい、表面の光沢がなくなるといった生産の問題が発生しました。
メーカーに相談をしましたが、変更は出来ない!今までどおりの対応をとの回答でした。
確かに一度、市場に投入した製品の形状変更及び仕様変更は大変ですし、ほとんど例がありません。裏面などの見えないところの材質や形状変更はありますが意匠面での変更は、ありえないことです。
ただ、製品を製作している側は、工数・材料代・不良の可能性があるなどの要素を抱えながらの生産です。生産が続けばこの製品で原価が上昇し、企業経営にも影響が出かねない可能性があります。
当初は、対応不可との回答でしたが各担当者に生産現場に足を運んで頂き現状を訴え続けました。
メーカー側としても品質・安定供給が必要不可欠との判断でデザイナー、生産技術、購買、営業の各担当者を集め協議を開始しました。当初は、各セクションとも変更は出来ないと言われておりましたが、現場を見て頂き、変更内容の具体的な説明をおこなうことで納得をして頂きました。
製品の形状変更は、容易なことではありません。しかし不良品は提供してはいけないものです。不可能を可能にする技術構築も重要ですが不良になる可能性がある製品・工程を放置することは取引先、顧客を裏切ることになります。
取引先・協力先と現状の問題点を話し合い解決することも大切ではないでしょうか!
自社にとっての必要な取引先・仕入先・協力先との良好な関係を築くことが今後の発展に繋がります。
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