『 倒産は赤字ではなく、資金が尽きたときに起こります! 』 -2026年06月10日号

経営者の皆様へ

会社は、赤字になった瞬間に倒産するわけではありません。

倒産するのは、支払うべきお金が払えなくなったときです。売上があっても、仕事があっても、受注が残っていても、仕入代金、外注費、人件費、税金、社会保険料、借入返済が払えなくなれば、会社は一気に厳しい状況に追い込まれます。

今、東海地方では、その危険が静かに広がっています。

売上がある会社でも、倒産する時代です

最近の倒産状況を見ていると、非常に気になる動きがあります。それは、「売上がない会社」だけが倒産しているのではないということです。

むしろ現場では、

  • 「仕事はある」
  • 「受注もある」
  • 「売上も立っている」

それでも、資金繰りが回らず、倒産や廃業に追い込まれる会社が出ています。これは、経営者にとって非常に怖い状況です。なぜなら、表面上はまだ会社が動いているように見えるからです。

しかし内側では、少しずつ利益が削られ、資金が減り、気づいたときには手遅れになっているケースがあります。

中東情勢は、決して遠い国の話ではありません

現在の経営環境は、単なる景気の波ではありません。中東情勢の緊迫化は、原油価格やエネルギー価格に影響します。その影響は、ガソリン代、軽油代、電気代、ガス代、物流費、包装資材、原材料費へと波及します。

特に東海地方には、製造業、建設業、運送業、卸売業、小売業、飲食業など、燃料費や材料費の影響を受けやすい企業が多くあります。つまり、中東情勢の悪化は、地元の中小企業にとって、粗利益を直接削る問題なのです。「海外の問題だから関係ない」では済まされません。

  • 燃料費が上がる。
  • 電気代が上がる。
  • 材料費が上がる。
  • 物流費が上がる。

その一方で、販売価格に十分転嫁できなければ、その負担はすべて自社が背負うことになります。

さらに重いのが、政策金利の上昇です

もう一つ、経営者が絶対に見落としてはいけないのが、政策金利の上昇による借入金利の上昇です。

これまで長い間、日本では低金利が当たり前でした。そのため、多くの企業が、 「借入金利は大きく変わらない」 「利息負担はそこまで重くならない」 「借入返済は今まで通り何とかなる」 という前提で資金繰りを組んできました。

しかし、その前提は変わり始めています。

金利が上がれば、当然、支払利息は増えます。毎月の返済元金が変わらなくても、利息負担が増えれば、会社に残る資金は減ります。特に、借入金が多い会社、コロナ融資やゼロゼロ融資の返済が始まっている会社、設備投資や運転資金を金融機関に依存している会社は要注意です。

これからは、「借りられるか」ではなく、「返せるか」を真剣に考えなければなりません。

今の倒産は、赤字だけが原因ではありません

経営者の方の中には、 「うちは売上があるから大丈夫」 「黒字だからまだ大丈夫」 「仕事が途切れていないから問題ない」 と思われている方もいるかもしれません。

しかし、今の倒産は、それだけでは判断できません。

売上があっても、原材料費が上がる。人件費が上がる。燃料費が上がる。電気代が上がる。金利が上がる。借入返済がある。税金や社会保険の支払いがある。

その一方で、販売価格に十分転嫁できない。この状態が続けば、売上はあっても利益は残りません。利益が残らなければ、当然、資金も残りません。そして、資金が残らなければ、会社は続けられません。倒産は、決算書の赤字だけで起こるものではありません。資金が尽きたときに起こります。

「まだ大丈夫」が一番危険です

経営者の方は、どうしても我慢してしまいます。「もう少し頑張れば何とかなる」「次の入金があれば大丈夫」「銀行に相談するのはまだ早い」「社員には不安を見せられない」その気持ちはよく分かります。

しかし、資金繰りは、悪くなってからでは打てる手が限られます。

  • 金融機関への相談。
  • 取引先への価格交渉。
  • 経費の見直し。
  • 返済条件の変更。
  • 資金繰り計画の作成。

これらは、早ければ早いほど選択肢があります。逆に、支払いが遅れ始めてからでは、信用不安が広がり、打てる手が一気に少なくなります。経営において一番危険なのは、赤字そのものではありません。危険に気づいているのに、何もしないことです。

今すぐ確認していただきたいこと

経営者の皆様に、今すぐ確認していただきたいことがあります。

  1. 6カ月先までの資金繰り: 来月だけでは不十分です。最低でも6カ月先まで、現金が持つか確認してください。
  2. 毎月の借入返済後に資金が残るか: 売上から仕入、外注費、人件費、家賃、税金、社会保険、借入返済を支払った後、本当に現金が残っているでしょうか。
  3. 粗利益率が下がっていないか: 売上が増えていても、粗利率が落ちていれば危険です。忙しいのに儲からない会社になっている可能性があります。
  4. 価格転嫁ができているか: 仕入価格や人件費が上がっているのに、販売価格を据え置いていれば、その負担はすべて自社が背負うことになります。
  5. 税金や社会保険の支払いに遅れがないか: 税金や社会保険の滞納、分納は、資金繰り悪化の強いサインです。
  6. 社長個人のお金を会社に入れていないか: 役員借入金が増えている会社は、実質的に会社のお金が足りていない状態です。

これからの経営で見るべき数字

これからの経営では、売上だけを追っていては不十分です。大切なのは、次の数字です。

  • 粗利益はいくら残っているのか。
  • 返済後に現金はいくら残っているのか。
  • 6カ月後の資金残高はいくらなのか。
  • 金利が上がった場合、年間の利息負担はいくら増えるのか。
  • 価格転嫁しなければ、どれだけ利益が削られるのか。

ここを確認せずに走り続けるのは、霧の中をライトなしで運転しているようなものです。売上はもちろん大切です。しかし、売上があっても資金が残らなければ、会社は守れません。

今こそ、 売上拡大よりも、粗利確保。 利益よりも、資金繰り。 借りられるかよりも、返せるか。 この視点が必要です。

早く気づいた会社から、立て直せます

中東情勢、原油高、物価高、人件費上昇、政策金利上昇。これらは、経営者の努力だけで止められるものではありません。しかし、対策を打つことはできます。

  • 資金繰り表を作る。
  • 返済可能額を見直す。
  • 金融機関と早めに相談する。
  • 価格転嫁を進める。
  • 不採算取引を見直す。
  • 固定費を点検する。
  • 利益が残る仕事に絞る。

経営は、早く気づいた会社から立て直せます。遅れれば遅れるほど、選択肢は減っていきます。

最後に

今の倒産増加は、決して他人事ではありません。「うちはまだ大丈夫」そう思っている会社ほど、一度立ち止まって数字を確認してください。

倒産は赤字ではなく、資金が尽きたときに起こります。

そして資金繰りの悪化は、ある日突然起こるのではありません。多くの場合、少しずつ、静かに進んでいます。だからこそ、早めの確認が必要です。早めの相談が必要です。早めの対策が必要です。

少しでも不安がある経営者様は、今のうちにご相談ください。会社を守るために必要なのは、根性論ではありません。正確な現状把握と、早めの対策です。資金繰りが壊れる前に、今こそ一度、会社の数字を見直してみてください。

『本当にどんな些細な事でも相談して欲しいと・・・まずは私に一本の連絡!』 ・・・そして正しい方向性をひとつづつ一緒に導き出していきませんか? 私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。

以上

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