『 資金調達が上手い会社は、決算書作りもお上手? 』 -2025年02月19日号

まずどういった会社が資金調達が希望通り上手くいくのでしょうか?

  • 純資産額が多いとうまくいく?
  • 自己資本比率が高いとうまくいく?
  • 繰越欠損金が無いとうまくいく?
  • 経常利益が2期連続黒字だとうまくいく?

など
財務状態が良い=資金調達しやすい会社でしょうか?

結論から言えば、その通り、圧倒的に調達しやすいです。そんな会社は計画なんてある意味必要ありません。
勝手に金融機関から提案をもってきますよ。

ただ世の中小企業はそんな会社ばかりではなく、圧倒的に借りにくい会社が多いんですよ。

ここでいう借りにくい会社というのは

  • 金融機関がまず保証協会付融資の提案をしてくる
  • 借入金月商倍率は4倍以上になってしまっている
  • 2期連続赤字になってしまった

などが該当します。
では借りにくい会社はどうしましょう?


決算書を別につくりますか?

そんなことをすれば犯罪です。ここまでしている方は考え方がそもそも間違っているので、商売止めた方が良いです。


利益を出すために売上・在庫を過大に計上しますか?仕入・経費を過少に計上しますか?

これも決算書が別と同様に融資を受けることは犯罪のため、当然手を出してはいけません。
ただ中小企業の経理・会計が脆弱なため、間違って計上することもありますので、過日修正の報告をされた方がよいでしょう。
それでも金融機関からの信用は無くし、今後の融資取引に影響はでるでしょうが、金融機関へ正直に話し、今後の態度を改めればお咎めなしということが多い印象です。


決算を見通して勘定科目の残高を簿記のルールに則り変更しますか?

流動・固定、資産・負債が関係する一般的な財務分析の項目に照らし合わせて勘定科目変更し、ベースのスコアリングを上げるのは基礎中の基です。

①は論外
②は一度手を出すと、止められなくなり気付いた時には、数値が大きくなってしまう傾向があるので、手を出すべきではありません
③は事前対応としてはどの企業も取り組むべき課題となります

また③については決算時点のみでの対応ではなく、試算表を要求された際に、いつでも提出できるように試算表単位で完成されていないといけません。

そうなると日々経理担当が入力する仕訳も整えていく必要があるのです。

例えば、社員・役員からの社宅賃貸料の徴収が多い会社では、営業外収入の受取賃貸料でもらうのではなく、地代家賃で相殺して、営業利益を増やしたりすることがあります。

流動資産・負債勘定を固定資産・負債勘定にしてみる(実態の最適解にしてみる)。
繰延べで効果のある費用を資産計上してみる。
不良資産を特別損失で有税償却してみる。

顧問税理士からの提案を待って行うのではなく、日々の仕訳から整えてみてください。

決算書は過去の事業を移した姿でそれを基に現在・未来を計画書で描きます。

③を整えることが資金調達しやすい会社になるための第一歩です。
銀行の審査を保証協会に任せっぱなしにする前に、保証協会や金融機関に伝えやすい分かりやすい決算書を作ってみませんか?

コロナ融資の返済負担が重たくなっている昨今、資金調達において決算書の重要性は増すばかりです。

そもそも融資審査で決算書が占める割合は
メガバンク90%以上
地方銀行 80%
信用金庫 70%
と言われています。要は大半は決算書で決まるのです。その大元となっているのは日々の仕訳(事業活動)ということをご理解ください。

事業性評価資料など、定性情報が融資に与える影響は少なくはありませんが、決して多くは無いのです。
仕訳を整えることで、融資の確率は格段に上がります。その原理原則をご理解していただき融資上手になりましょう。

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

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