「 企業経営者が今、銀行取引を見直すべき理由 」 名古屋熱血コンサルタントの日記Vol.110

皆様いかがお過ごしでしょうか?

東海地方の金融機関に変化の波(企業経営者が今、銀行取引を見直すべき理由)についてお話しさせていただきます。

ここ最近、東海地方の金融機関を取り巻く環境が大きく変化しています。

これまでのような「低金利が当たり前」という時代から、預金金利も融資金利も動く時代へと完全に流れが変わりつつあります。

特に中小企業の経営者にとって重要なのは、「銀行の金利が上がった」ということだけではありません。金融機関が「どの企業に、どの条件で、どこまで融資するのか」という判断そのものが、今後ますます重要になってくるということです。

日銀は追加利上げの可能性を残す

2026年7月の日本銀行金融政策決定会合では政策金利は据え置かれましたが、日銀内では、経済・物価情勢に応じて今後も政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当との意見が示されています。次回の金融政策決定会合は9月17日・18日に予定されています。

つまり、「金利上昇はもう終わった」と考えるのはまだ早いということです。今後さらに金利が上昇すれば、その影響は当然、企業の借入金利にも及びます。

東海地方でも貸出金利引上げの動き

実際、東海地方の金融機関ではすでに短期プライムレートの引上げが相次いでいます。

名古屋銀行は2026年2月に短期プライムレートを2.375%から2.625%へ0.25%引き上げ、その後6月にも短期プライムレートの改定を発表しています。

あいち銀行も6月18日に円預金金利と短期プライムレートの改定を発表。さらに住宅ローンについても、2026年9月から変動金利の基準金利を見直すことを公表しています。

岐阜県でも、大垣西濃信用金庫が8月3日に短期プライムレートと円普通預金金利の改定を発表しています。

これらは個人だけの問題ではありません。企業融資、とりわけ短期プライムレート等を基準としている変動金利型融資では、今後の利払い負担増加を考えておく必要があります。

一方で「預金獲得競争」も激しくなる

興味深いのは、貸出金利だけではなく預金金利も上昇していることです。

大垣西濃信用金庫では2026年7月28日~8月3日時点で普通預金金利が年0.250%、5年物のスーパー定期預金が年0.600%となっていました。さらに同金庫のサマーキャンペーンは申込みが進み、WEB・スマホ取扱分や窓口分が相次いで終了し、8月12日には募集枠の増額まで発表されています。

銀行にとって預金は融資の原資です。金利のある世界では、「良い融資先を確保する競争」だけでなく、「預金を集める競争」も強まります。金融機関経営そのものが大きく変わり始めているのです。

十六FGは増益、地域金融機関の収益環境にも変化

岐阜県を代表する金融グループである十六フィナンシャルグループは、2027年3月期第1四半期決算を8月4日に発表しています。報道ベースでは第1四半期の連結純利益は前年同期比24.4%増の75億6,000万円となりました。

金利上昇局面は企業側には金利負担増となる一方、銀行側から見ると貸出金利や有価証券運用などを通じ、収益改善につながる側面があります。長く続いた超低金利時代とは、銀行経営の前提そのものが変わってきています。

金融機関は「お金を貸すだけ」の存在ではなくなった

もう一つ注目したいのが、地方銀行・信用金庫の役割の変化です。

十六銀行ではポジティブインパクトファイナンスやクラウドファンディング、企業版ふるさと納税などを通じた地域支援を進めています。

名古屋銀行でも、ポジティブインパクトファイナンス、企業版ふるさと納税マッチング、日本政策金融公庫とのクロスボーダーローン連携など、融資以外の企業支援を拡大しています。

これからの金融機関は、「融資をする銀行」から、「企業の課題を一緒に解決する銀行」へ変わろうとしています。逆に言えば企業側も、「お金が足りなくなったから銀行へ相談する」という付き合い方だけでは不十分になってきます。

これから金融機関が見るのは「決算書の数字」だけではない

金利が上昇していく局面では、企業を見る金融機関の目もこれまで以上に厳しくなる可能性があります。特に重要になるのは、次のような点です。

  • 今後3~5年間の事業計画
  • 毎月の資金繰り
  • 借入金の返済能力
  • 本業でキャッシュを生み出せているか
  • 不採算事業を放置していないか
  • 設備投資の妥当性
  • 後継者・事業承継
  • 経営改善への具体的な取組み

決算書だけを見るのではなく、「この会社はこれからどうなるのか」を見る融資判断が、より重要になっていくでしょう。

経営者が今すぐ確認してほしいこと

特に借入金の多い企業は、現在の借入金利が何%なのかを一度確認してください。

そして、金利が0.25%、0.5%、1.0%上昇した場合、年間の支払利息がいくら増えるのかを計算しておくことをお勧めします。

例えば借入金1億円なら、単純計算で金利が0.5%上昇するだけでも年間50万円の利息負担増です。借入が2億円なら100万円。利益率の低い中小企業では決して小さい金額ではありません。

「銀行から言われてから」では遅い

今後の金融機関取引で重要なのは、資金が苦しくなる前に銀行と話をすることです。

資金繰りが厳しくなり、「来月のお金が足りません」という段階で相談するのと、半年前から「半年後にこの程度の資金需要が発生するので、このような事業計画を考えています」と相談するのとでは、金融機関側の受け止め方は大きく違います。

さらに、一つの金融機関だけに頼るのではなく、メイン銀行、サブ銀行、信用金庫、日本政策金融公庫、信用保証協会などを組み合わせた資金調達体制そのものを見直す時期に来ています。

金利のある時代に経営者も変わる必要がある

東海地方では今、金融機関の収益構造、預金獲得、融資金利、企業支援の方法まで大きく変わり始めています。そして、その変化は必ず企業経営にも波及します。

「今まで銀行が貸してくれたから、これからも大丈夫」とは限りません。

むしろ重要なのは、自社が金融機関からどう評価されているのかを知ること。そして、金利が上昇しても耐えられる財務体質を今のうちにつくることです。

資金繰りが悪化してから対策を考えるのではなく、まだ資金に余裕があるうちに、借入内容、返済計画、金融機関との取引、今後3~5年の事業計画を一度確認してみてはいかがでしょうか。

金融環境が変わるときほど、早く動いた企業と、何もしなかった企業との差は大きくなります。

「うちはまだ大丈夫」そう思っている今こそ、金融機関との付き合い方を見直すタイミングかもしれません。どんな些細な事でも大丈夫ですので是非エクステンド名古屋オフィスのヤマナカまでお気軽にご連絡下さい。

                            以 上