『 経理と財務の違い 』 -2012年06月20日号

「経理と財務の違いは?」このような質問がたまに出てきます。

本当の意味の違いは、辞書を調べてもらえば分かりますが、経営上、実務上の「経理と財務の違い」を考えてみると、以下のような考え方もできます。

経理は「過去」の数字を取り扱い、財務は「未来」の数字を取り扱います。
つまり、経理で扱う書類は「損益計算書」と「貸借対照表」などです。

一方、財務で扱う書類は、「事業計画書」と「資金繰り表」などです。

「損益計算書」と「貸借対照表」は簿記というルールに基づいて、税法などの法律に則って作成されます。よって、どこの企業でも作成されますし、内容は正確性が求められます。

一方、「事業計画書」と「資金繰り表」は特に決まったルールや法律があるわけではありません。よって、強制力があまりないので、作成されない企業もあります。さらに、未来の不確定の数字なので正確性より大枠を捉えることが重視されます。

このようにあまり作成されていない「事業計画書」と「資金繰り表」ですが、本来は、将来を見越して作成していくので、会社が成長し、発展して行くためには重要なものではあり、作成したほうが良いものではあります。

上記のように、同じような数字関係の書類を取り扱うのですが、経理と財務は作成する際に、全く性格の違う物になります。

よって、経理担当者の方が突然、「財務系の書類を作って」と言われてもできない可能性があります。「事業計画書」と「資金繰り表」は最終の数字は経理担当者の方が行うにしても、将来の企業のあり方を示すものですので、経営者が中心に行うほうが良いのです。

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