▼Q.149 愛知県の方からのご相談です。「経営改善計画書のつくり方についてですが、銀行に言われた売上や利益の基準で税理士先生と相談しながら計画数値をつくってみたら、売上も利益も達成不可能なものになってしまいました。それでも、提出しなくてはならないのでしょうか?」(メールによるご相談事例)

▼A.149

提出せず、数値を練り直すのが、御社のためのみならず、銀行のためにもなるでしょう。

計画書はあくまで借り手企業側の責任においてつくられるものですから、後で未達成であることを「銀行に言われた数値だった」という言い訳をすることができません。また、心配なつくり方は、必要な利益額を決めた後、現状の利益率から逆算して、売上を算出するという手法のみで売上計画をつくることです。

売上は、今後のご時勢からいっても、一方的に伸ばせるなどということがあり得ないのは誰しも分かること。また、今日の銀行の財務評価は、売上増が即財務評価の向上に繋がらないこともご注意ください。少しは上がります、でも、利益額・利益率の向上の方が、ずっと財務評価は向上します。さらに、過剰な売上が仮に達成できたとしても、運転資金が増えてしまえば、資金繰りとしては楽になりません。

銀行の求める基準の一部は未達成となってでも、会社の器に見合う適切な売上・利益の範囲内において返済を進めることが重要なのであり、私共のようなコンサルタントは、それを見出すためにいると言えます。銀行の説得も十分に可能です。なにしろ、「教科書どおりではないだろうけど、長期的にはこの方が銀行のメリットもある(デメリットが少ない)」形であればよいのですから。