ある会社の1コマ <製品の用途開発>

東海地区も梅雨入り、傘が手放せない季節となりました。

気象庁の予報では、7月は雨が多くなるとの予報でした。

近年では、極端な気象変化が見られますので、皆様ご注意ください。

今回は、自社製品の用途開発についてのお話をさせて頂きます。

G社は、FRP製のグレーチング製造メーカーです。

※[グレーチングとは、鋼材を格子状に組んだ溝蓋です。素材は鉄(亜鉛メッキ)、ステンレス、アルミニウム、FRP製などがあります。一般には、道路の排水路にかける蓋としてよく見かけます。その他、工場などの操作歩道など広範囲に使用されています]

出荷先用途は、道路用と工場内などの限られておりました。

工業製品としての使用方法が圧倒的でした。

G社は、仕様材料を工夫し、他の用途に使用できないか?検討を行いました。

従来のFRP製のグレーチングは、樹脂に着色し、グレー1色でしたが色を変えるなどの工夫を行いました。その中で用途開発ができたものが蓄光材料を混合し、夜間あるいは暗いところでも光る製品ができました。

フェンスなどが夜、光ればその場所がわかり用途が広がるのではないかといった発想でした。ヒントは、建物内にある非常口の表示です。

使用例としては、外階段・フェンス・外壁カバーなどに使用されました。

暗い中で場所が特定できると同時に夜間の防犯にもなるとの理由から採用されました。

また、お客様からの要望でクリアー(透明)製品も作成しました。

実際には、グラスファイバーを使用しているため、完全クリアーはできないのですが

逆にそれが評価され採用になりました。

クリアー製のグレーチングは、テーブルとして上にガラスを置き、下からライトアップすることで、光が様々な角度で屈折するため、インテリアとしての用途が広がりました。

住宅では、階段はもちろんですが吹き抜けの2階を作る際の床として使用することで人は通れ、光も通すという利点から採用されました。

G社は、様々なサンプルを作り、HPにて全国のユーザーに告知するとともに設計事務所、デザイナー事務所などにサンプル、資料を送り評価・要望を聞きお客様が何を要望しているのか?の情報を集め日々製品の改良を行い、用途拡大に成功しました。

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