『共通経費は配賦するのか?』
5月も終わり、そろそろ梅雨入りの時期を迎える今日この頃。3月決算法人が多い日本では前期の決算状況が固まった頃ですね。前期振返って如何でしたでしょうか?過去の経験を今期に活かしていきましょう。
『共通経費は配賦するのか?』
共通経費とは会社で社員の方が共同で使用しているもの、非生産部門での経費、どこの拠点に関わっている経費なのか判断が難しい経費を指します。一般的には役員報酬、本社事務員給与、他本社経費等がありますよね。
今回はこの共通経費をどの様に扱うべきなのかお伝えします。
まず
売上高 1,000
仕入高 600
販管費 400
営業利益 0
営業外損益 100
経常利益 △100
という会社があったとします(内共通費350)
部門別に振替えると
全体 部門A 部門B 共通
売上高 1,000 600 400 0
仕入高 600 400 200 0
販管費 400 100 50 250
営業利益 0 100 150 △250
営業外損益 100 0 0 100
経常利益 △100 100 150 △350
となりますが、会社によっては
全体 部門A 部門B
売上高 1,000 600 400
仕入高 600 400 200
販管費 400 250 150
営業利益 0 △50 50
営業外損益 100 60 40
経常利益 △100 △110 10
と共通費も基準を設けて部門内に組み込んでしまう例がたまに見受けられます。
これでは正確な部門損益が把握しにくくなる為、部門Aは収益が出ているにもかかわらず経営上間違った決断をしてしまう事(部門Aの撤退)をしてしまう可能性があります。
しかしながら、部門に共通部分まで配賦したものを把握したいとお考えの場合は以下の様にすることで把握が可能になります。
全体 部門A 部門B
売上高 1,000 600 400
仕入高 600 400 200
販管費 400 100 50
営業利益 0 100 150
営業外損益 100 0 0
経常利益 △100 100 150
共通経費配賦額 △210 △140
配賦後経常利益 △110 10
経営実態を数値で把握する事は経営者として行わなければならない当然のことでありますが、数値は間違った側面を見てしますと如何様にでも変化させる事が可能です。
ポイントは実態で考えるという事です。
簿記・会計・税務のルールを経営に当てはめるのではなく、経営実態に簿記・会計・税務のルールを使って実態資料の作成に努めてください
(決算申告は会計・税務のルールに則ってくださいね)
実態が数値で把握できなければ何をどこまで改善すれば良いのか目標設定に曖昧さが出てしまう可能性があります。実態で見る・・・。その癖をつけてください。
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