『 厚生年金保険料等の猶予制度 』 -2016年08月31日号
資金繰りが厳しくなり消費税等については換価の猶予という制度を利用されている方もみえるかと思いますが、厚生年金保険料等についても猶予の制度がある事はご存知でしょうか?
今回はこの猶予制度についてお話しさせていただきます。
○換価の猶予について
厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある等の一定の要件に該当するときは、納付すべき保険料等の納期限から6カ月以内に管轄の年金事務所へ申請することにより、1年以内の期限に限り、換価の猶予が認められる場合があります。
但し申請対象となる月以外の保険料等を滞納している場合は、原則として換価の猶予は許可されないと言われておりますので注意が必要です。
- 換価の猶予が認められた場合
- 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
- 猶予期間中の延滞金が全額又は一部免除されます。
○納付の猶予について
- 財産について災害をを受け、又は盗難にあったこと。
- 事業主又はその生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。
- 事業を廃止し、又は休止したこと。
- 事業について申請前の1年間において、その前年の利益額の1/2を超える赤字がを生じた場合
- 各種届出が遅延した事により、過去の月分に係る社会保険料が発生したこと
上記等の理由により、厚生年金保険料等を一時に納付する事が困難な時は、管轄の年金事務所を経由し地方厚生(支)局長へ申請する事により、1年以内の期限に限り、納付の猶予が認められる場合があります。
○猶予制度を利用提出する場合の書類について
- 換価の猶予の申請書又は納付の猶予申請書
- 財産収支状況書(猶予を受ける金額が100万円を超える場合は財産収支状況書に代えて財産目録収支の明細書が必要)
担保提供に関する書類(猶予を受ける金額が100万円を超える場合に必要)
災害などの事実を証する書類(納付の猶予の申請時に必要)
○猶予期間について
1年の範囲内で申請者の財産や収支に応じて、最も早く保険料を完納することができると認められた期限に限られます。
尚、猶予を受けた保険料は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付する必要があります。
○申請の期限について
- 換価の猶予の場合:納付困難となった保険料等の納期限から6カ月以内
- 納付の猶予の場合:猶予該当の事実発生後速やかに
○猶予の結果について
- 換価の猶予の場合:年金事務所長から猶予の許可又は不許可の通知があります。
- 納付の猶予の場合:地方厚生(支)局長から猶予の許可又は不許可の通知があります。
注:許可された場合は猶予許可通知書に記載された分割納付計画のとおり納付が必要となります。
○猶予の取消しについて
猶予が認められた後に以下の事由に該当した場合は、猶予を取り消される場合があります。
- 猶予許可通知書に記載された分割納付計画のとおり納付しない場合
- 猶予を受けている保険料以外に新たに納付すべきこととなった保険料を納付した場合
○その他
督促指定期間までに納付していない場合について
- 納付期限の翌日から納付日までの日数に応じて延滞金がかかります。
- 財産の差押え等を行われる事があります。
詳しくはお近くの年金事務所様に必ず相談・確認してください。
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