『 東海地方の金融機関とその他地域の金融機関の考え方 』 -2018年02月14日号
先日、ご相談のあった企業の事例です。
こちらの企業は、利益は確保できているものの、借入本数が多く、月次の返済が多額になり、常に資金不足に悩まれておりました。
借入の内容を聞きますと、ほとんど運転資金(仕入資金)で、一部プロパー融資はあるものの、大半は信用保証協会の一般枠とセーフティ枠の融資で占められており、既存の金融機関からは借入本数をまとめるといった提案は難しいと言われている、とのことでした。
こうした対応は、典型的な東海地方金融機関のの融資形態だな、という印象です。
既存の取引銀行では、本数をまとめられない、とのことでしたので、東海地方以外の金融機関に当たってみることを視野に入れて動いてみることにしました。
そこで、弊社がお付き合いのある北陸地方の金融機関担当者に打診したところ、当社社長と面談したい、とのことになり、簡単な資料を作成し、一緒に伺うことになりました。
北陸地方の金融機関へは、借入本数が多いため、月額返済が大きくなっている現状を説明し、どんな支援可能性があるか、協議いたしました。
金融機関側としては、まだ可能性の段階ではあるが、借入を一本化し、月額返済負担を小さくすることを検討してみたい、との回答が出てきました。
信用保証協会の承諾を得ての一般枠での融資や融資制度での融資もまとめて、プロパー融資で借り換えるというスキームなのですが、自分としては予想通りの可能性の打診でした。
これに驚いたのが、ご相談者の社長で、保証協会の制度融資をプロパー融資で借り換える、さらに一本化する、というやり方が可能なのか、と何度も確認されておりました。
このように、社長がびっくりされた、というのが東海地方の経営者の現状なのだと思います。
保証協会付の融資を含めたすべての融資を、プロパー融資でもって切り替えるというスキームを考えたこともないのだと思います。
そうしたことを思考するという概念がないというのも、東海地方の金融機関がそうした刷り込みをしているとも言えますが、実態は東海地方の金融機関担当者自身にも、こうした概念もないので、致し方ないところでしょう。
経営者には、こうした融資形態が可能であることを知っていただき、既存の金融機関との交渉や、新規の金融機関の交渉に役立ててくださいませ。
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