『 「マル保」の制度が、大きく変わりました 』 -2018年04月04日号

◆「マル保だから、とりあえず大丈夫だろう」は、もう通用しない

今回の信用補完制度改正の目玉として、新規融資制度の創設などもあります。企業側としては「どうすれば借りられるの?」と気になるのも当然ですが、今回についてはもっと根本的なことに注意が必要です。

といいますのも。
「信用保証協会と金融機関の連携」という枠組みでプロパー融資(信用保証なしの融資)とマル保融資を適切に組み合わせ、信用保証協会と金融機関が柔軟にリスク分担を行っていくことが明記されているのです。

この規定により、何が起こるのかというと、

  • 例えば、1000万円のマル保融資を申し込む
  • 保証協会の審査で、保証協会が(例えば)、

「600万円は保証するから、400万円は銀行がプロパーで出して」
という保証条件を出してくる

⇒金融機関としては、一部リスク負担を要求される

という具合に、保証協会側から金融機関にプロパーを出すことを条件として出されることで、金融機関にとって「自分のリスクがないマル保での申し込みだから大丈夫」が通用しなくなるのです。

金融機関が自らのリスクをとり、プロパーも出すから保証協会だって対応するのが、これからの保証協会の姿というわけです。
リスクをとりたくない金融機関が融資を渋るのではないかという懸念もあり、今後慎重に対応をみていく必要があります。

◆保証協会自身の運営状況改善のため、避けられない

中小企業の融資を絞られるとなれば、たまったものではないのですが、現実問題として保証協会は毎年千億円単位の支出超(赤字)を出しており、保証協会自身も現状のままでは立ち行かなくなる中での措置です。保証協会の本音としては

  • 「保証協会はお金を貸さない訳ではないが、貸す相手はこれまでより選んで対応する」
  • 金融機関が安易に保証協会に依存することに歯止めをかけたい

と考えなくてはなりません。

つまり…、マル保といっても、融資を受けるために必要な資料を用意し、説明ができる企業でないと、融資を受けられない可能性が高くなるのです。

既にこの制度は始まっています、中小企業にとっての融資制度は誰でも平等ではなく、必要な説明と証明を行った企業が勝ち取るものになってきていることにご留意いただき、資金繰りを確保していただければ幸いです。

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