『 金融機関からの借入 』 -2018年10月17日号
今回は、『金融機関からの借入』についてお話をさせて頂きます。
M社は、住宅、リフォームメーカーです。
[売上1.0億円]<借入;3千万円>
個人事業から会社組織(株式会社)にして、1年が経過しようとしておりました。
本社事務所も新たに借りてスタートしました。
当初は、金融機関から融資してもらっていましたが思ったように受注がのびず、再度の借入を申し込みましたが断られてしまいました。
M社は、1年で地元金融機関から2回、日本政策金融公庫からも1回融資を実行してもらっています。
金融機関は、1年間に何度も融資を行なうことを好みません。
それは、1年に何度も融資を希望される企業は、計画がなく資金管理も十分に行なえていないと判断するからです。
融資する側からすれば前回の融資は、どこに消えたのか? 戻ってくる見込みはあるのか? と疑問になります。
必要な資金でリターンが見込まれれば融資を行ないますが赤字補填などの資金は、融資しません。
まずは、実態把握を行い、工事別の売上・利益の精査です。
工程管理と原価管理を徹底的に行なってください。
※中には、請求漏れもあるかもしれません。
原価は「材料費」「労務費」「経費」の3つに分類することができます。
「材料費」は材料や原料を仕入れて製造・加工する場合に使用します。
プラスチック成形メーカーであれば、加工に使う樹脂などが材料費になります。
「労務費」は加工に携わる人に対して払う給料です。これは正社員だけでなく契約社員やパートタイマーに対して支払う賃金も労務費にあたります。
「経費」は「材料費」「労務費」以外のものすべてが経費となります。
水道光熱費、旅費交通費、外注費など様々なものがあります。
工程管理は、工程表を作成し、現場監督、作業者(外注も含む)に毎日予定と実行の確認を行ない、全員が進捗を把握する必要があります。
横の連絡がうまくいっていないため工事が遅れたということはよくあります。
また、経費を1点ずつ見直し、不要な部分はカットしてください。
不要な接待交際費も見直しの対象となります。
売上管理ではなく、売上総利益(粗利)、営業利益を意識して管理を行なってください。
試算表も翌月10日から15日までには、完成するよう顧問税理士と相談し対応してください。
予算・実績の管理を徹底することで何をどのように(取引先の値上、仕入先への値下、工程の見直しなど)対応しなければならないかが明確になってきます。
また、現場チェックを行うことで、現場従事者に対しても意識を植え付けることとなります。
経営者・管理者は現場を絶えず見ることで、問題点も見えてきますし、自社の強みも見えてきますので、注意深く観察を行ってください。
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