『 中小企業にDXは必要か? 』 -2025年03月05日号

最近、生活必需品の値上げが鮮明になってきたことから、そこまで賃金アップが追い付いていない現状で買い控えも少しずつ見え隠れしてきています。
2025年年末までには政策金利1%を視野に入れている話もありながら、そこまで上げても物価上昇については留まるような気はしませんね。
ますます中小企業には厳しい経営環境が続きます。

値上げと言えば中小企業経営者にとって最近肌身で感じる値上げとしてはシステムの使用料の値上げが目に付くのではないでしょうか?

私共の会社でも

  • 請求書発行システム
  • メールシステム
  • 顧客管理システム
  • ビジネスチャット
  • 会計システム

などなど、コスト上昇を理由として値上げ通知が後を絶ちません。

システムは使い勝手がよく便利な反面、業務にはめ込んでしまうため一度使ってしまうとやめられなくなり継続が前提になってしまいます。
だから値上げという通知が来ても大半が受け入れざる得ない状況となり、中小企業のコスト上昇に拍車をかけてしまいます。

ただでさえ、中小企業は給与を上げたくても中々大幅に上げれない現状があるなかで、システム利用料は10%20%と勝手に上がっていく現状でやるせない思いがあります。

コロナ禍になり、リモートが当たり前、AIも進化しはじめ、PC、スマートフォンがビジネス上、なくてはならなくなった現状でDX化が声高々に叫ばれています。
システム会社の営業は当然ながらシステム導入を進めてきます。ここが便利になります。ここが自動化され、他システムと連動することで、人為的ミスがなくなります。
AS-IS、TO-BEを持参して、理想論をいってきます。確かにそうなればいいよね~と思わずこちらも乗り気になってしまい、補助金もあればとついつい契約してしまうものです。

さて本当に中小企業にDXは必要でしょうか?
『わが社もDXの一環としてシステム化を推進しよう!』などといって、IT導入補助金を活用して、システム導入を推進している会社は一度、立ち止まって振り返ってみるタイミングです。

自社の経営の将来を考えた時に【そのシステム本当に必要ですか?】

中小企業は少ない人数で多様な業務をこなしていかなければいけません。多能工やマルチタスクなんて当たり前です。
そういった意味で省人化ということは中小企業にとって必要なことです。ただシステムを導入してほんとに省人化になっていますか?
導入目的が省人化で無ければ構いませんが、大抵の企業は省人化も目的の一つとしているはずです。

システム導入すれば、システム管理者・責任者の業務負担は増えます。業務変更・システム変更がされる度に更新手間・他システムとの連携テストなど、変更されるもの・導入するものが増えれば増えるだけ対応をしていかなければなりません。またそういったことが出来る方の人件費は比較的高額なのが一般的です。

その負荷・コストアップと省人化できることによるコストダウンと比較されたことはありますか?
また省人化できたことによる時間削減とシステムを導入したことによる作業量・管理対象の増加による時間増加とを比較されたことはありますか?

紙からPDFなどのデータ保管に移行して、紙を置くスペースは無くなり保管料は無くなりましたが、従業員の手間は増えて時間/時給換算するとどうですか?
最低賃金で計算するとひょっとしたら、紙のままで保管した方がコスト安くなるかもしれませんよ。

当たり前の話ですが、作業対象・管理対象が大きければ、システム化のメリットはより大きくなります。
10人そこそこ、30人そこそこの会社であれば、DXに関わるシステム化は対象を限定しないと、不必要なコスト増加を招き、気づいた時にはコスト圧縮できない状況に陥る可能性があります。

中小企業にDXは必要か? の問いに対しては、私は必要ですと答えます。
ただシステム化においては身の丈にあった【小さなシステム、大きな効果】を目指した、必要最小限にしていきましょうと補足してお伝えいたします。

値上げの今だからこそ、立ち止まって考えて頂きたい事柄です。

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

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