ある会社の1コマ <3人の意思の疎通>

M社は、3名の役員+従業員で構成されていました。
役割は、不明確な部分もありましたが社長(営業中心)専務(経理中心)取締役部長(開発中心)との主な役割がありました。
ただ経理以外は皆が全てをこなし、協力して会社を運営していました。

会社が順調に伸びていた時は、協力態勢で行っておりましたが売上が減少し、銀行借入も滞り始めるとそれぞれが分担し、自己資金等を会社に入れ運用を行うようになりました。

3名が自己資金を潤沢に持っているわけではありませんので、均等割りにはいきませんでした。ただ、3人で始めた会社だからと資金を集めました。

しかし、多く出せる人、あまり出せない人と出てくると人間関係が徐々に悪くなってきます。また、仕事上でも意見が言えなくなり間違った方向に行ってしまいました。

月末資金不足を社長に報告の連絡を入れるのですが音沙汰なし。俺はもうお金がないよ!
残りの二人で出してくれ! といった会話になってきました。
そのうちあまり会社に来なくなり、営業でまわってくるとのことでしたが売上は落ちる一方でした。

仕入先・銀行・その他の支払を伸ばし続けてきましたが限度があります。
お客様に対して何が出来るのか? どのようなお役にたつのか? を深く追求していなかった結果の表れです。

経営トップの役割の認識はもちろん必要ですが、各人の役割も大きな要素です。
皆がこの窮地を認識(現状認識)し、計画を立て同じ方向に向け歩んでいかなければ乗り越えることはできません。
優柔不断な経営では今後の荒波を乗り越えることはできません。