『厚生年金基金』

9月も終わりを迎え、円滑化法終了まであと半年となった。リスケジュールを行っている企業にとっては待ったなしの日々が続いており、いよいよ成果を求められる時期に突入してきた。

『厚生年金基金』

平成24年9月29日の日経新聞に『厚年基金制度、2段階で廃止 まず解散か移行促す厚労省対策本部が方針確認』との記事が掲載された。AIJ投資顧問による年金消失問題が事の発端となり10年程度の経過期間をおいて廃止するようだ。

私共が顧問先に関わりを持たせていただき現場に入った最初の段階で『経費の洗出し』は原則、行うようにしている。要は過去1年程度の総勘定科目をチェックしていき、無駄なものは削ぎ落としていくという行動をとっていく。

その中で2社ほど、厚生年金基金の加入会社に出会った事があり現在も加入している。この基金の仕組みが非常に厄介なもので、現環境下においては安易に脱退できない基金が非常に多い。

仕組みは以下

基金の仕組み(自動車振興厚生年金基金のサイトへリンクしています)

脱退する場合はこれまで基金が出した赤字部分を一部補填したうえで、脱退となる為、脱退するにもできない状態となる事が多い。実際、それぞれ基金は違うが愛知県の企業で3000万、三重県の企業で1200万の脱退費用が発生する。何とも考えられない数値を提示された。

また加入を続けていても、社員への追加年金負担額(全て会社負担)+基金の運営損失穴埋め金(基金運用によってまちまち)+事務費が一般の厚生年金保険料に加算され、企業コストを高める要因になってしまっており、正に進むも地獄退くも地獄という状態になってしまっている。

その2社はいづれも社歴が30年以上と長く、地元ではそこそこ知られた存在であり、結果として高度成長期の負の遺産をつくってしまった形となった。この2社については今回の日経記事の内容は朗報ではあるが、これから10年間程度、まだコスト増があることを前提に利益UPを目指していかなければいけないため、再生のハードルは上がってしまう。

資金使用先については常日頃から『何にお金を使っているのか?』『使い先はリターンの見込みがあるのか?』『戦略上必要経費か?』『別のやり方はないか?』『もっと良いやり方はないか?』など考える癖をつけてください。

その繰返しが強いコスト体質の会社を創ります。


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