外注管理2 -2012年10月10日号
私が以前、所属しておりました、プラスチック製造業のFRP成形メーカーにて経験してきたことをお話しさせていただきます。
企業の業務のうち専門的なものについて、外部の別の企業等に委託することを外注といいますが、皆様、外注管理をされていることと思います。
M社は、自社にて製品開発、型製作を行い、製品の製作は外注(下請け)にて行っておりました。
ある日、メーカーよりホテル向け浴槽(洗場付)および特注壁(イオン発生)の依頼がありました。
木型→生産型→マスター型→生産型と生産する型の準備を行うと同時に試作品を作成し、仕様の確定を行います。
ただ、ホテル物件ということもあり、短納期で100セット以上を納入しなければなりません。
協力して頂ける、Sレジン様と相談をし、1台/日~1.5台/日の生産計画を策定しました。
工程は、かなりタイトで少しでも時間ロスがあると納期遅れになります。
ただ、最悪のケースとして土日祝の工程は空いておりますので生産を行い、不足分を補う。
さらに1日~2日/月、型メンテナンスの日をもらいました。
いざ、生産開始ですがメーカーからは、1.5台~2.0台/日に生産を上げてほしいとの要望がありました。
3日に1度、メーカー手配のトラックが製品集荷に来ます。
余裕のない生産が続き、夜もほとんど生産、土日祝も生産と精神的にも追われる日々が続きました。
製品を50台納入したころから生産数が落ち、ついにクレームが発生。
対応を行うこととなりました。
しかし、Sレジンの社長及び従業員は疲れ果て対応ができません。
M社より人を派遣及びM社でも生産を行う体制に切り替えました。
それでも追い付きません。毎日トラックが数台、今日できる製品を待っております。
自社でも製品を運びました。
全員体制で遅れはしましたが製品は完納しました。
※クレームは、コーナー等に入れるパテの硬化剤不足及び撹拌不足で完全硬化をしていないことが 判明しました。
生産に追われることで基本的な部分が置き去りになりました。
一般的には、社内より外注先の品質管理レベルが劣ることが多く、自ずと外注先の品質管理指導が必要になってきます。
今回は、外注に任せきりで対応が遅れたことと、売上主義に走り生産計画を無視し、最悪の事態となりました。
品質管理には当然、手間とコストがかかります。外注先の経営者が品質管理を仕方なくやるケースと、品質管理の必要性を認識して、品質向上・コストダウンを目指すケースとでは大きな差がつくことは明らかです。
外注先の技術力・品質力・管理能力を十分把握し、発注を行い、定期的な打合せ、検査を行う必要があります。
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