『 経営者の決断 』 -2012年04月25日号
学生のころは、「この先の人生がわかるかもしれない決断」というのは、入試の時などの進路決断が主だったような気がします。
ビジネスでは、そのような「重要な決断」が頻繁に迫られます。もちろん経営者か幹部になれば、「重要な決断」が毎日のように起きるといっても良いと思います。
学生の進路は、半年や一年とかもっと長くかけて考えるということが出来ましたが、経営判断は毎日ということは、そんなにゆっくり考えている時間は取れないことが多くなります。さらに決断すべき事項自体の数も多くなります。
このような状態で、「決断」に時間がかかっていると、決断しないことによって悪い状態になる可能性もあったり、悩んでいると他の仕事がおろそかになって業績悪化につながる可能性もあったりします。
つまり、「その決断によって人生・会社がガラリと変わるような重要な決断」でも、そんなに時間をかけていられないケースも出てくるのです。
こんな時に、精神論で、「経営者なら決断せよ」と言っても、重要であればあるほど、「決断しないといけない」という自分自身や他からプレッシャーが増えて決断が鈍るだけになります。
では、どうするのか?
「決断」を分けておいて、先に判断基準を決められるものは、基準を決めておくとスムーズになるのです。
この「決断の種類分け」はその経営者自身、会社の状況、業種等によってもわかるかもしれませんが、その一例を書いてみます。
- いろいろな資料を集めるなどをするが、最終的には経営者の直観等によるもの
- 経営理念を明確にして、それを判断基準にし、経営理念に即していれば「実行」、そうでなければ「否決」とするもの
- 数字で判断基準を決めておき、例外を設けず数字だけですべて判断する
このように、上記3つの判断基準を決めた会社があるとすれば、2,3は判断基準が明確であり、「判断」に時間がかかることはなくなります。あとは、1だけ本当の経営判断すれば良くなるので、すべてゼロから考え判断するよりは、かなりの時間短縮になるのです。
上記の「種類分け」はあくまで一例ですが、実行の速い企業は、上記のように明文化しているかどうかは別として、「種類分け」のようなものをしていることが多いのです。
「普段から経営判断に時間がかからないし、迷いがない」という場合は良いですが、多くの企業の場合は、世の中が複雑化すればするほど、「最近、判断することが多くて時間がとられる」と言うような状態になっていることも多いので、「決断」を早めるためにも、「種類分け」と、その種類の中で前もって「判断基準」を決められるものは決めて置くのも良いと思うのです。
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