『 工程管理 』 -2014年07月16日号

工程管理は各社様々な方法で実行されていると思います。
工程管理は永久に突き詰めるべきものです。
今回は工程管理の基本についてお話をさせて頂きます。

1 工程管理の目的

工程管理は、定められた工期内において工程の計画と実施の管理を目的とするものでありますが、工事の品質及び工事の原価は、工程進捗に大きく影響されるため、工程(作業の進捗)管理は、施工管理のなかでも重要な項目となります。
工程管理とは、発注者側にとっては工期内に適切な進度で、十分な品質・精度のもとに施工されていく工事過程の管理であり、また、工事予算管理にも影響します。さらに、受注者側においては、これに工事経営の要素を加えることにより、最小の費用で最大の生産を上げるために工事を管理していくこととなります。

2 工程管理の手順

工程管理は、「計画・実施」段階の統制機能と、「検討・処置」段階の改善機能に大別される。工程管理の手順は、一般の施工管理の手順と同様であって、計画→実施→検討→処置(P→D→C→A)の各手段に分けて行う。
工程表に基づき工事を実施し、毎日、毎週及び毎月定期的に工事進捗の実績を工程表に記入し、予定工程と実施工程とを比較の上、実績が計画に対してどのようになっているか、絶えずチェックし、できるだけ計画に沿って工事が進行するよう管理する。しかし、計画と実績の間に大きな差が出た場合(計画に対し±10%程度)には計画あるいは実施体制等に問題があることとなるため、計画を見直し、必要な処置をとる必要がある。
そして、再計画された工程表に基づき再度、実施―検討―処置の各手段を実行することが工程管理の手順である。

(1) 計画段階(Plan)
工程計画を立てるには、現地に適合した施工法、施工の順序等の基本方針に基づき、各作業の日程計画、作業手順を決め工程表を作成する。
労務、資材、機械設備等について使用計画を十分に検討しておかなければならない。また、工程計画を立てる場合には、上記のような全体工程表の他、全体工程の中で特に重要な部分について部分工程表を作り、重点管理をすることも全体工程をスムーズに進捗させる上で必要なことである。

<工程計画を作成する場合の手順 >
  1. 工種分類に基づき、基本管理項目である工事項目について施工手順を決める。
  2. 各工種別工事項目の適切な施工期間を決める。
  3. 全工事が工期内に完了するように、工種別工程を相互調整する。
  4. 全工期を通じて労務、資材、機械の必要性を均し、過度の集中や待ち時間が発生しないように工程を調整する。
  5. 各種工程表を作成する。

(2) 実施段階(Do)
工程表の日程計画、作業手順に従い、労務、資材、機械設備等の手配、段取りを行うとともに、工事の指示、監督を行う。

(3) 検討段階(Check)
工程の進捗状況を把握し、計画工程と実績工程を比較検討して進度管理を行う。
また、必要に応じて進捗状況等を報告する。

(4) 処置段階(Action)
工程の進捗状況が計画と差が生じている場合や安定していない場合は作業改善を行い、工程促進を図るなど是正処置をとり、場合によっては、工程表を組み変えるなど再度計画を見直す。

工程管理においては、現場責任者からの報告及び経営者が自ら足を運びチェックすることが重要です。効率よく現場を進めるには現場からの改善提案と経営者側から見た現場の改善をクロスし考える必要があります。

まずは、自社の現場(工場)の工程を確認し、改善点を現場、管理者、経営者の3社にて絶えず意見交換を行ってください。

出てきた改善提案は、実行して効果を検証ください。その繰り返しが意識改革となり自分たちで変えていこうと前向きに変化していきます。

自社の実態を把握し、改善してみてはいかがでしょうか!!

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