『 行動計画は何故実行されないのか? 』 -2015年02月04日号
みなさまの会社は経営計画を立てられる際、損益だけの計画になっていませんか?数値計画は1年間の損益が貸借にどの様に落し込まれているかが分かる事で初めて、数値計画として完成します。損益だけの計画はまだその作成過程です。
また数値計画に対して目標達成の為のやるべき事が書かれていますでしょうか? そのやるべき事が行動計画やアクションプランと呼ばれています。
私共がサポートさせて頂いている会社は金融機関に何かしらかの支援を要請する必要があり、支援を頂くために経営改善計画書という名の経営計画書を提出します。その際は定量面の計数計画。定量面の行動計画を必ず作成します。
しかしながら経営改善計画書を作成し、行動計画を立てても実際に実行されない会社が多いのも事実です。では何故実行されないのでしょうか? 経営者の計画に対する想いや覚悟が足りないと言ってしまえばそれまででしょうが、目標を達成するまでのイメージが湧いてないが故に、書いたは良いが実際にやってみようと思うと行動の仕方が分からないという方もいます。
そういった経営(改善)計画書は概ね、何をするのか?の行動計画の欄に記載してある事項が抽象的であったり、箇条書き程度にしてあったりします。ここで実際に行動を移す際の内容と、行動計画の内容にズレや空白が生じる為、実行されなくなる事があるのです。
例えば、在庫管理がずさんで、毎期在庫廃棄処分を行っている会社が行動計画に在庫管理を徹底すると書いたとします。ただこれだけでは行動に移す事が出来ませんでした。経営者の方に聞いてみると、在庫管理しなければならないのは分かるので行動計画にも書いたが、どの様にして行けば良いのか分からないとの事。
そこで2つの事を意識してもらうようにしました。
- 行動計画の内容は具体的に5W1Hまで落し込む事
- 行動の内容はファーストアクションまでブレイクダウンする事
まず1については
【When】【Who】【Where】【What】【Why】【How】の
いつ、だれが、どこで、何を、何故、どの様にを明確に記載してもらう事としました。
在庫管理であれば、在庫管理を徹底する為に毎月月末に管理担当者が倉庫内物品と在庫管理システムの在庫データを目視で付合せを行い、数量差異が無いかどうか確認を行う。といった具合に明確に記載する必要があります。
そして2については
課題克服に向けて、最初に行動すべき事項まで行動のまき直しをして頂く事にしました。
具体的にいえば、
【・・・する為には事前に何をしなければならないのかを考える】
事です。
先程、1の例を当てはめると
在庫管理を徹底する為に毎月月末に管理担当者が倉庫内物品と在庫管理システムの在庫データを目視で付合せを行い、数量差異が無いかどうか確認を行う
【為には事前に何をしなければならないのか?】
の答えが、
- 月末朝に在庫システムデータをA4用紙縦で打ち出しておく
- 在庫担当者を物流部より部長が選任する
であれば、更に
【為には事前に何をしなければならないのか?】
で前段階にやるべき事があれば遡っていき、
【もうこれ以上遡れない所まで遡ります】
そうする事で今やるべき事が明確になり、今動く内容が決まります。
まず何からやれば良いのか分からなければ、行動のゴールから行動を逆算していき、今動くべき行動のレベルまで具体的に掘下げる事で、今とゴールを繋げる仮説をつくり上げるのです。
行動に一段飛ばしはありません。将来の高い目標に向かって、一日一日のひた向きな行動のみが、目標を達成できます。
その仮説をつくりあげる為に【考える】時間を惜しまない様にしてください。【考える】事は経営の重要な一部なのです。
今週もありがとうございました。
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