『 地域銀行に迫られる選択 』 -2016年12月14日号
本経済は、これから始まる高齢化社会、人口減少に立ち向かわなければなりません。人口減少といってもある日突然訪れるわけではなく徐々に減少し、対策は容易ではありません。
企業をバックアップしていく金融機関も再編・淘汰の波が迫ってきます。
金融機関だけではなく、企業も人口減少により市場規模が減少することが予想される為、対策が必要となります。。
- 国内市場が縮小により海外への展開模索
- 市場占有率確保(MA、合併など)
- 新市場への展開
などが考えられますが資金確保も重要な点です。
金融機関は、金融庁の指導により新たな展開を要求されています。
「担保」「保証協会」からの脱皮であり、「事業性評価」がその1つではないでしょうか?
金融機関が主に行っている企業分析は、「事業面」よりも「財務面」を中心とした分析に比重が置かれています。金融機関が企業を分析する際には、財務諸表(決算書)という「結果」に基づく分析に重きが置かれており、「事業」については、あまり踏み込んだ調査・分析が行われてこなかったとも言えます。
企業の実態を把握するためには「事業」を知ること(=事業性評価)が不可欠です。
「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を多面的な視点を持ち、過去、現在、そして将来の見通しまで捉えてこそ、初めて企業の実態が見えてきます。
【以下参考にしてください】
~地域銀行に迫られる選択 再編か、淘汰か~
(産経ニュースより抜粋)市場縮小を念頭に置いた金融庁の推計がある。平成24年から37年にかけての都道府県別の中小企業向け貸出残高の減少率だ。
- 全国47都道府県のうち25~20%減るのが3
- 20~15%減が17、15~10%減が14
- 10~5%減が9。
全国各地で地域銀行の柱の一つである中小企業向け貸し出しが縮小を余儀なくされるのだ。そして37年3月期には地域銀行の6割超が「本業」の貸し出し業務・手数料ビジネスで赤字に陥ると試算する。
(中略)金融庁が主に地域銀行などを対象に推進してきた「リレーションシップ・バンキング」。金融機関が顧客との間で親密な関係を維持することにより顧客情報を蓄積し、財務面だけでなく、企業の経営者の資質や事業の成長性などに基づいて融資などを実行するという考え方だ。
しかし、金融庁は将来性があるにもかかわらず、担保・保証がないことを理由に融資を受けられない企業はいまなお多いと見ており、10月に公表した金融行政指針で「日本型金融排除」という造語を初めて用いて金融機関に改善を求めた。
金融機関にとって担保・保証がない融資はリスクはあるが、高い利回りを獲得できるチャンスでもある。それには目利き能力の向上が不可欠だが、現状はどうか。
創業初期のベンチャー経営者は言う。「事業計画を説明しても、前例をベースに融資の可否の判断をされるので、金融機関には相手にしてもらえない。結局、個人投資家から事業資金を得た」
(中略)
ただ、今の再編を見ると、地域をまたいで持ち株会社の下にそれぞれの銀行をぶら下げる「水平統合」の形が目につく。ある銀行マンは言う。「同じ地域の地銀と第二地銀が合併するような『垂直統合』でないと統合効果はあまり期待できない。垂直統合であれば、店舗統廃合など思い切ったコスト削減ができる」。足し算的な統合ではなく、統合効果を十分に発揮できる掛け算的な統合が求められているのだ。
動きの鈍い地域銀行に業を煮やした森長官は会見でこう指摘した。
「小さくてもニッチを作れる銀行は存続できる。しかし、小さくて特徴のない銀行は考えたほうがいい」。実のある再編に踏み切るか、収益を生む独自のビジネスモデルを作り出すか、残された時間は多くない。
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