『 ABLとファクタリング 』 -2018年07月04日号
皆様も『ABL』『ファクタリング』という言葉をよく聞かれると思いますが、何が違うのか疑問に思われている方も多くみえるかと思います。今回はABLとファクタリングの違いについてお話しさせていただきます。
- ABLとは
売掛債権担保融資ともいわれ、掛け取引で発生した売掛債権を担保にして資金調達をする方法の事を言います。 - ファクタリングとは
掛け取引をした場合、入金が確実である売掛金を売却することで資金調達をする方法の事を言います。
つまり、両社とも売掛債権を利用した資金調達の方法であるにはかわらないのですが、大きな違いは【売掛債権の売却】と【売掛債権を担保にした融資】であるということです。
根本的な違いは何となくご理解いただけたかと思います。では更に細かく違いについてお話しさせていただきます。
- 資金調達の金額について
ABLは売掛債権を基に融資する会社が審査を行い融資金額を決定するのに対しファクタリングは、取引で発生した売掛金より高い金額では調達できない事から、調達できる金額が違います。 - 審査について
・ABLを利用し、融資を受けて資金調達をする場合、融資を申し込む企業自体の信用力が一番に重視されます。融資を申込んだ金融機関との関係性も重要ですが、融資を受ける企業の業績や、さまざまな支払状況、これまでの金融情報などから審査が行われます。つまり、どれだけ大きい金額の売掛債権があったとしても、金融機関での審査が承認にならなければ、融資は実行されないでしょう。
・ファクタリングを利用して資金調達をする場合、取引相手の売掛先の信用度が重視されます。ファクタリングを利用する企業の損益が赤字であっても、取引先の信用度が高ければ、資金調達ができる可能性があります。 - 金利・手数料について
・ABLは借入なので金利が発生します。ファクタリングは債権の買取になりますので手数料が発生します。ABLは融資を申し込む企業自体の信用力が弱ければ金利は高く設定されると思います。
・ファクタリングの場合は売掛債権の金額が高ければ手数料も高くなると思われます。 - どの様な時に利用したらいいのか
・ABLの場合は売掛債権の入金サイトが短く、少額な売掛債権の場合に利用する事をお勧めします。
・ファクタリングの場合は、金額が大きく入金迄の期間が長い場合に、大きな金額を運転資金として使用したい場合にお勧めします。
最後に、もし利用するならば企業の状況と、売掛債権の金額や入金サイトによってどちらの方法を選択するかを判断されてはどうでしょうか?またどちらを利用するべきか迷っている場合には、一度弊社の様な専門家、税理士先生等に相談されることをお勧めします。
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