ある会社の1コマ <経営者の判断>

今年は、多くの台風が上陸します。名古屋市でも被害が出ているようです。十分な備えをしてください。

M社は、プラスチック製浴槽などの型・製品を手がけていると同時に塗料開発メーカーと一緒に断熱、遮熱塗料の開発販売なども行っています。

提案型営業をモットーとしているため、各メーカーから多くの受注獲得と同時に様々な担当者と親密な関係ができました。

受注が増加したため新たな工場を確保し、増産体制を整えました。
金融機関からの借入も増加していきました。

もともと本社事務所および工場建設のため借入を行っており、5,000万円の借入があり、受注は増えてきているとはいえ、人件費、会社経費、借入金返済も重くのしかかってきました。

それでも受注が伸び、金融機関の支援も得られていました。

ただ、売上:1億5,000万円、借入:8,000万円のとなった際、納期トラブル、クレームなどが立て続けにおこり受注が減少していきました。
顧客の要望をそのまま受け入れ、無理な増産体制を構築したことで外注の生産が追いつかず、自社の生産へも影響が出始めました。

当初は、残業、応援などで対応を行っていましたが無理がたたり品質クレームへと発展していきました。

経営者は、受注が増加し安心しきっていました。(売上重視経営)実際の資金繰りは、借入に依存した形となっていました。
外注を含めた無茶な生産体制であり、生産型の修正などのメンテナンスを行う予定は組んでいませんでした。
当然のごとく、無理な残業が重なり、人も離れ、品質も低下して不測の事態に陥りました。

まだ、気づいた時点で顧客と話し合いを行い、生産体制の見直しをしていれば立て直すことができたことでしょうが最悪の事態を招いてしまいました。
品質問題で受注は停止してしまいました。

金融機関からの支援も得られず、やむなくリスケジュールを行い苦慮する日々となりました。

経営者の判断が招いた会社の結末です。
1人で判断できない場合は、他の経営陣、社員とよく話し合い重要な決断を行う必要があります。
また、取引先とも綿密な報告、相談を行う必要があります。