『 でんさい 』 -2019年02月27日号
今回は『でんさい』についてお話しさせていただきます。
『でんさい』とは手形・振込に代わる新しい決済手段であり、電子記録債権の事を言います。
電子記録債権とは電子債権記録機関の記録原簿への電子記録をその発生・譲渡等の要件とする、既存の「手形・売掛債権」などとは異なる新たな金銭債権です。
手形と同様に、電子記録債権の譲渡には善意取得や人的抗弁の切断の効力などの取引の安全を確保するための措置も講じられているので、事業者は、企業間取引などで発生した債権の支払に関し、パソコンなどで電子記録をすることで、安全・簡易・迅速に電子記録債権の発生・譲渡等を行うことができます。
手形と比べた場合に何が違うのかを下記に説明させていただきます。
【手形】
- 作成・交付・保管コストあり
- 紛失・盗難リスクあり
- 分割不可能
【電子記録債権】
- 電子データー送受信等による発生・譲渡
- 記録機関の記録原簿で管理
- 分割可能
売掛債権と比べた場合は、何が違うのかを下記にて説明させていただきます。
【売掛債権】
- 譲渡対象債権の不存在・二重譲渡リスクあり
- 譲渡を債務者に対抗する為に債務者への通知等が必要
- 人的抗弁を対抗されるりすくあり
【電子記録債権】
- 電子記録により債権の存在・帰属を可視化
- 譲渡の存在・帰属は明確であり、通知等は不要
- 原則として人的抗弁は切断される
次に電子記録債権を取扱う『でんさいネット』についてもご説明させていただきます。
『でんさいネット』とは、(社)全国銀行協会が設立した電子債権記録機関である(株)全銀電子債権ネットワークの通称の事で『でんさいネット』は記録原簿を備え、利用者の請求にもとづき電子記録や債権内容の開示を行うこと等を主業務とする、電子記録債権の「登記所」のような存在と言われておりメリットについては下記の様なものがあります。
- 支払企業のメリットについて
- 事務負担の軽減、搬送コストも削減が可能
- 手形の発行および振込の準備など、支払に関する面倒な事務負担の軽減が可能。
- 手形搬送のコストの軽減が可能。
- 印紙税の課税はなし
- 手形と異なり印紙税は課税なし。
- 支払手段の一本化で効率的が可能
- 手形、振込、一括決済など複数の支払手段を一本化することで効率化が可能。
- 事務負担の軽減、搬送コストも削減が可能
- 納入企業のメリットについて
- 紛失・盗難のリスク回避が可能
- 紛失、盗難の心配がなくなり、厳重に保管する必要がなくなるので無駄な管理コストを削減する事が可能。
- 必要な金額だけ分割・譲渡が可能
- 必要な分だけ分割して譲渡や割引をすることが可能。
- 期日になると自動入金
- 支払期日になると取引銀行の口座に自動入金されますので、面倒な取立手続は不要。
- 資金繰りに有効活用
- 流通性の高い債権で、これまで資金繰りに活用できなかった債権の譲渡や割引が可能となり、有効活用することが可能。
- 紛失・盗難のリスク回避が可能
今回の商品説明は、ある金融機関様の情報に基づき記載させていただきましたので、詳細はお取引のある金融機関様へ確認してください。
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