『 中小企業と銀行は利益相反しない? 』 -2019年05月23日号
前世紀末ごろから特に、銀行は自身の財務状況を改善するために貸付金=融資、という資産評価を厳しく判定するようになり、特にプロパー融資についてはなかなか実行できなくなりました。
むしろ、回収を率先した銀行すら多かったのが実情です。
そうなると、企業側は景気が低迷している中でも銀行に隙を見せられない、場合によっては決算数値を操作してでも…、という動きになり
回収したい銀行と、そんなことされたくない中小企業は利益が相反する関係になってしまった、という訳です。
◆本来の中小企業と銀行の関係
しかし、この状態は無理があります。
今後経済も縮小していくことが避けられない日本においては
銀行が企業への支援を断り続ける
⇒企業の存続が困難になる
⇒融資先が減少する
⇒銀行も存在できなくなる
ことで、今の状態のままでは銀行と中小企業は共倒れになるだけ、誰も得られるものはありません。
◆新たな共生の形
既に融資取引自体は、地域金融機関の半分以上が赤字化しています。
銀行は現在、
- 新たな融資手法を開発・実行すること
- 融資取引に依存しすぎないように、手数料取引・収益を増やすこと
を目指して模索しています。より根本的には
- 地域経済自体を活性化させるための企画から銀行が関与し盛り上げることで、銀行自身の将来も創っていく
ことが、「やらなければ、自分の未来もない」こととして、もはや先送りすることができません。
この意味で、改めて銀行は中小企業を必要ともしているのです。
◆企業の生き残りと銀行との共生
となると、共生するための中小企業の在り方、というのも必然的に決まってきます。
- 小さくとも地域経済に必要な存在であること
- 銀行の支援が得られれば、存在し続けることが可能であること
です。
規模が大きくなくとも、社会性・存続性を示すことが、より銀行からの評価を得ることに繋がるわけですね。
また、もう一点
- 企業の課題や悩みを明示し、それを自社で可能な限り解決しつつ、経済的・金銭的な課題を融資で解決することを依頼する
こと、つまり企業側も勇気をもって銀行に話をすることが必須です。
弊社のお客様企業でも、これまでの常識では考えられなかった銀行からの支援を得られた企業様が存在しますが、そんな企業は全てこれらを継続的に実施することで銀行の協力・支援をとりつけたと言えます。
銀行との関係性を、企業側も見直すことで、銀行からの評価を引き出す、そんな時代になったのです。
是非御社も、もう一度銀行に何を伝えるのか、考えてみていただければ幸いです。
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