『 財務の基本は借り方、返し方 』 -2021年11月03日号
コロナ融資をほぼすべての企業が借りまくっている状況で企業の運転資金がダブついている状況が続いており、
10月8日には帝国データバンクが
2021年度(21年4-9月)の倒産件数は前年同期比25.7%減となる2938件となり、2000年度以降で最少、1999年度以前と比較しても55年ぶりの低水準を記録した
と発表しました。
これはまだコロナ禍においても中小企業が持ちこたえている証拠であり、それを支えているのはコロナ融資であることは間違いありません。
ただ着実に中小企業の手元資金は減ってきており、大手地方銀行においては、融資資金の多く赤字が継続している先から、定期的に本部職員がお客様を訪問するなど実情の情報収集を始めました。
今後の注視が必要な点です。
その中で、今注目されているのが
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
と呼ばれる融資制度です。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/57.html
資本性ローン相談会(名古屋開催)はこちら
資本性ローンは簡単に言えば、
- 長期間返済しなくて良い
- 同じ融資でも金融上の評価が上がる
- 一定期間繰上げ返済できない
- 黒字化すれば利率があがる
という特徴があり、一長一短はありますが、
現預金残高が減ってきている方であれば、一考の余地はあります。
更に言うと長短の借り方バランスが悪い企業も一考の余地がありますね。
融資の基本は長期事業投資=長期融資、短期事業投資=短期資金でまかなうことです。中小企業はこの融資バランスが著しく悪いです。
中小企業の財務知識・人材が少ない中で、そう言った勉強をしないことが良くないことではあるのですが、金融機関が保証協会付き融資を長期で貸し出しし続けることも融資バランスの悪さを助長しています。
優秀なバンカーであれば、融資バランスの悪さを見抜いた上で、資金繰り上、必要な資金の算定と最適な融資プランを提案してきますよ。
見方は至ってシンプルで、まずは決算書上の固定資産<固定負債+純資産流動資産>流動負債になっているかどうかを把握します。
ただ大事なのはここからで、長期・短期含め1年以内借入金返済額を集計して、その資金の返済目途が立っていることです。
立っていなければ、融資バランスの見直しが必要です。
今すぐ金融機関とバランス見直しの交渉を行ってください。
1年以内の長期返済資金が多ければ、借換を行い、月額返済負担額を減らす必要があります。その場合でも、基本である長期=長期、短期=短期を意識してください。経常運転資金部分であれば、短コロ(短期継続融資)でもよいでしょう。
因みに愛知県では
税理士連携短期継続保証
https://www.cgc-aichi.or.jp/guarantee/stabilize_fund_raising/entry-250.html
長期一括保証
https://www.cgc-aichi.or.jp/guarantee/stabilize_fund_raising/entry-443.html
を上手く使いたいですね。
また長期資金では不動産を取得したが、賃料収入が思ったように伸びない、機械設備を導入したが稼働率が上がっておらず、目標の付加価値まで届いていない。などなど長期投資部分が思ったような回収が出来ていない状況であれば、長期での借換は当然ですが、金融機関の融資の特性上、超長期間での借換は渋る傾向がありますので据置期間を有効活用するなどの施策を検討する必要があります。
そう言った意味では今回の挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)は融資バランスを見直すための有用な施策として活用が可能です。
あなたの会社の融資バランスはいかがですか?
バランスが悪い?バランスを見て欲しいなど、セカンドオピニオンでも良いので一度専門家の見解も聞いてみるのが良いでしょう。
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