『 事業再構築補助金の根抵当権問題のその後 』 -2021年10月20日号
当該メールマガジンで、ひと月前にも配信させていただきましたが、事業再構築補助金の根抵当権問題についての続報です。
現在のところ、補助金事務局からの正式な公表はされておりません。
ただ、先週の金融日(2021年10月15日)頃に次の案内がなされました。
(中小企業庁 事業再構築補助金Webサイトより)
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
第3回公募の採択発表は11月下旬を予定しております。
また、第4回公募については10月中に公募を開始し12月中下旬頃まで、第5回公募については1月中に公募を開始し3月頃まで実施することを予定しております。
上記のように、「第4回公募については10月中に公募を開始し」とありますので、そろそろ、第4回目の公募が開始される頃かと思われますが、そのときに根抵当権問題についても公表されるかと思います。補助金事務局において、Q&A等も含め、その準備の真っ最中といったところではないでしょうか。
正式にはそれを待ちたいと思いますが、2021年10月1日付けのニッキン(日本金融通信社)の記事に注目すべき内容が記載されておりました。
(一部を抜粋いたします)
中企庁の再構築補助金、交付基準で混乱ー根抵当付き建物改修容認
https://www.nikkinonline.com/article/14275
中小企業庁の事業再構築補助金で資金交付の可否基準に不透明な部分があったため、金融界が混乱している。
企業が活用する不動産に根抵当権が設定されていれば交付を認められない場合があり、採択された後の交付審査で一部の事業者が否決される見通し。既存の建物を改修して新事業を始める計画を立てた事業者が多かった実態を踏まえ、同庁は根抵当付き建物の改修などを使途として認める方針を固めた。第1回公募の採択先による資金交付申請が始まった6月下旬以降、問題が表面化。同補助金は建物の新築・改修に使える一方、補助金適正化法に基づき交付金で取得する物件への根抵当権設定を制限。規則を確かめるため事務局に問い合わせる事業者や金融機関が相次ぎ、想定外の対応を求められたコールセンターの回答にもバラつきが生じ、混乱を招いた。
事態収拾へ、同庁は9月24日までに運用方針を明確化。
「居酒屋をカフェに改装する飲食店や、旅館の部屋をワーケーション施設に転換する宿泊業者が目立った」(中企庁技術・経営革新課)ため、改修を容認。
根抵当が付いた土地への建物新築も、建物に効力が及ばなければ問題視しない。
上述の記事の内容や、正式な公表はないものの補助金事務局の個別回答による情報より、概要がわかってきました。
- 土地建物の所有者が第三者の場合(賃借する場合)は、問題なし。補助金の対象となる。
- 自社の土地に建物を建てる場合は、建物に根抵当権設定がしてあると補助金の対象とならない。抵当権の場合は事前承認を取れば対象となる。
- 自社の土地に根抵当権が設定されていて、その根抵当権設定の契約において、当該土地の上に建物を建てる場合、追加で根抵当権設定をしないといけない(差入する義務がある)旨の内容になっている場合は、補助金の対象とならない。金融機関と協議し解除等すれば対象となる。
- 内装についても、建物を建てる場合と同様に、建物に根抵当権が設定されていると補助金の対象とならない。
ニッキンの記事にあるように「根抵当が付いた土地への建物新築も、建物に効力が及ばなければ問題視しない」ので、土地に根抵当権が設定されていようが、建物への影響がなければ(根抵当権でなければ)補助金の対象となり得るようです。
ただし、補助金事務局の事前承認や、金融機関との合意書、等の対応が必要になりますので、結構な手間が掛かることが想定されます。
事前のご準備をお願い致します。
この度の情報が、ご参考になれば幸いです。
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