『 値上げに際しての注意点 』 -2022年06月15日号

リベンジ消費、円安、ウクライナ危機などで世の中は目まぐるしく動いておりますが、みなさまの周辺環境はいかがでしょうか?

本日は経営者のみなさまにとっては釈迦に説法ではありますが、昨今流行りの【値上げ】について触れてみたいと思います。

今はだいぶ減りましたが、以降にお伝えすることは実際にとある会社での営業担当から経営者への値上げに対しての回答です。

経営者A

当社は昨今の経営環境を踏まえて、25%の粗利益とれるようにしたいので、各お客さまの仕入内容を考え、適切に値上げを行い、粗利益率を確保して欲しい

営業担当B

承知しました。仕入原価から再度見直しを掛けて、25%とれるように、見積に反映させていきます!

経営者A

粗利益確保は我社の生命線だ、よろしく頼むぞ!

後日・・・・


経営者A

Bくん。お客さまへの値上げ提案は順調に進んでいるかな? 君だけが思うように粗利益率が伸びていない状況だが。。。

営業担当B

???。そんなことはありません。私は社長の言われたように全てのお客さまに対して、25%の金額を承諾頂いております

経営者A

??。そうなのか?ただ君の実績は粗利益率20%前後をうろうろしているような感じだが、どの様な見積りをしているのか?

営業担当B

メーカーからくる見積りに最低25%を足して、見積書を作成しお客さまに提案して受注しています。何か違うのですか?

経営者A

(唖然として)・・・・

ここまで特異な営業担当は、最近ではほとんど見かけなくなりましたが、実際にあった話です。

今回の値上げについても社内で、粗利益額? 粗利益率? に共通認識を持つことは大事かと思っています。

例えば、売価100のものの原価が80として10原価アップとなったため売価を10上げて、110としました。

一見、正しいようにも見えますが、粗利益率はいかがでしょうか

<値上げ前>

粗利益    20
ーーー = ーーー = 20%(粗利益率)
売 上   100

<値上げ後>

粗利益    20
ーーー = ーーー = 18%(粗利益率)
売 上   110

これは事業継続を考えたときに、正しい選択と言えるのでしょうか?

粗利益=付加価値はその名の通り、会社がどれだか商品・サービスに会社としての価値を付加出来たかどうかです。

私であれば経営者の方と最低でも以下とするには何が必要か考えて行動していきます。

<値上げ後>

粗利益    22
ーーー = ーーー = 20%(粗利益率)
売 上   110

そして以下、財務的指標が意味することを理解してください。

売上高=市場占有指数(顧客支持指数)

であることを

粗利益(付加価値)=魅力指数(商品・製品・サービス)

であることを

最後に

粗利益率(付加価値率)=独自性(模倣困難性+競争優位性)

であることを!

今一度、自社の商品・サービスを見てみてください。

これからの変化激しい環境下で、粗利益額・率が事業存続に与える影響は益々強くなっていくことでしょう。

あなたの会社はどれだけの価値を生み出せていて、今後生み出せていけるのでしょうか?

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

 

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