『 やることを絞る 』 -2022年08月10日号

資金繰りが厳しくご相談にみえる社長は、総じて事業を放置していたから、資金繰りが厳しくなったわけでは無く、社長も従業員も今やれること、任されていることを精一杯こなしています。

ただそれでも状況が改善せず、資金繰りは悪化の一途辿り、最後には自己破産を選択するという方を数多く見てきました。同時に資金繰りが改善して、金融機関への返済も正常化した先も見てきました。。。

この違いはどこにあるのでしょうか?
社長の決断力? 覚悟? スポンサー支援?

確かにそれも最終的には重要になってきます。
ただそれにもまして、根幹でしなければならないことがあるのです。

それは社長でありながら、『客観的な自社分析』が出来るかどうか? です。

3ケ月後の資金が足りない、ひょっとしたら今月も危ないかもしれないそんな時は、当然に資金繰りが最優先になり、自社分析どころではありません。

ですがまずは一瞬の休息をつくる! どんなことをしてでもつくる!
これが大事です。安定した経常収支を叩き出すには、まず客観的な自社分析こそが、最短の道です。

よくこれまでの延長線上で、売上確保のために広告宣伝を打つとか、価格を下げて集客し、商品販売点数を増やすとか、考えられる施策を打っています。

これ自体は悪いとは言いませんし、むしろ売上向上の施策としては検討すべき項目であることは言うまでもありません。
ただ、経営リソース(資源)は有限です。ヒト・モノ・カネ、、、資金繰りが厳しい会社はカネはありません。また残っているモノ・ヒトもかなり限定的で脆弱であることが多いのです。
であれば一番最小資源で最大成果が出るものを取組みたいですよね。

ただそうはいっても、明日の売上確保を目指して、総花的に施策を打ちたいものですし、打ってしまいがちです。そうすると、ヒトが分散して、出来る業務が少なくなり、どの施策も中途半端になってしまいます。それで果たしてこれまで出来なかったことが出来るのでしょうか?

有事だからこそ、一瞬立ち止まり、『客観的な自社分析』を行ってみてください。
自社の売る力と作る力はどうなっていますか?
どこに特長があって、その特長を伸ばしてくのにどの様な壁がありますか? そして誰なら喜ばせることができますか?

自分自身に問いかけてみてください。

そして周りに聞いてみてください。取引先や顧問税理士でもOK。
銀行員も事業性について目を向けてきていますので、聞いてみるのもいいでしょう。
我々の様な経営支援が出来る専門家でも構いません。

そして出た答えに対して、優先順位をつけ限られたリソースを集中させて、即行動していきましょう。時は待ってくれません。

やることをやれるレベルまで限定させ、実施していきましょう。
結果は必ず出ます。これを続けていくことが大事です。
続けていくことで再生の糸口は必ず見えてきます。

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

 

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