『 経営者保証を外してみよう 』 -2022年12月21日号
もう9年程経つのですが、経営者保証に関するガイドラインが制定されたのはご存じのことかと思います。
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/guideline.pdf
最近の日経新聞の紙面でも取りざたされているように金融庁としては、金融機関に対して経営者保証を外す融資を推進するように依頼しています
2011年7月に金融庁が第三者保証の原則禁止を打ち出してから、来年の2023年4月から制限を加え、メガバンクや地域銀行、信用金庫といった預金取扱金融機関は保証の必要性など理由を具体的に説明しない限り、経営者保証を要求できなくなります。
まだ民間金融では30%程度しか浸透していない無保証融資がすぐに100%になることは考えられませんが、国の進むべき方向性は分かります。
経営者保証解除支援には大きく3分類されていて
- 借りるとき
- 引き継ぐとき
- 返すとき
に分かれています。
3分類の詳細な中身はそれぞれ違えども、以下の3要件は一緒になります
- 資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている
(法人・個人の分離) - 財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である
(財務基盤の強化) - 金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている
(経営の透明性)
が担保されている必要があり、例えば
1であれば
- 経営者が個人として消費した費用を法人の経費として処理していないことを金融機関が確認できる
2であれば
- 減価償却前経常利益が2期連続赤字ではない
- 純資産額は直近が債務超過ではない
3であれば
- 金融機関が定期的に経営状況を確認できる
- 経営者が決算書や各勘定科目明細を作成している。決算書などを確認できる
となります。
どれも真っ当に事業運営を行っていれば、当然必要なことであり、金融機関が要求してくることも理解できるかと思います。
ただ大事なことは【外すためのチェック項目をこなしていくこと】ではありません。
【金融機関が融資をしやすい会社になること】です。そのためにガイドラインは存在し、互いにWinWinな状態を創り上げることができるのです。
ですので、私どもとしては是非とも取り組んでいただきたい内容となります。
経営には【上り坂】【下り坂】【まさか!】の3つの坂があり、どの坂に行こうとも事業継続を果たさなければならないのは経営者に課せられた使命です。
そのために常日頃から自らキャッシュポジションを上げ、財務基盤を盤石なものにしていき、自分の身は自分で守る必要があります。
ただ時には他人を頼っても良いのです。その時に手を差し伸べてくれる関係性を長い年月かけて金融機関と積み上げていくからこそ、【まさか!】にも快く手を差し伸べてくれるものなのです。これからはそういう時代になります。
そのために【経営者保証を外してみる】のです。
これは企業と金融機関、双方にとってハッピーになるガイドラインです。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/#guideline
今回の情報がお役に立てれば幸いです。
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