『 成長している企業の組織再編への対応 』 -2023年09月06日号
最近、組織再編について、事業者様と協議する機会が増えてきました。
事業者様の成長に伴っての組織再編であることがほとんどでして、一緒になって伴走してきた立場としましては、嬉しい限りです。
そのうち、とある事業者様の事例をお伝えしたいと思います。
その事業者様は、一つの事業から創業されたのですが、徐々に派生していって、関連事業を増やして参りました。さらに、別の事業者様より事業譲受されたりと、事業部門が多岐に渡ってきました。
成長していく過程で、各事業部門の勤務体系に乖離が生じてきたこともあり、事業所全体ではなく、事業部門個別に対応できる仕組みにしたい、というご意向が出て参りました。
また、各事業部門ごとの部門別管理において、損益計算書(P/L)だけでなく、貸借対照表(B/S)やキャッシュフロー(C/F)の把握も努めたい、というご意向も出て参りました。
そうなりますと、会計業務をおこなっていく上での仕組みづくりや整備対応にも変化が必要となってきます。
社内で自計化し、P/L上の管理会計の導入は既におこなっており、そこに将来の次世代への業務移管も考えて、B/S上の管理会計もおこなってきてはいたのですが、現状の経理ご担当者で賄えるボリュームでもなくなってきており、対策を講じていくことになりました。
まず、複数ある事業部門を、勤務体系に応じて、いくつかに取りまとめられるのか、の検討をしていくことになりました。いろいろと協議していく中で、8つ程ある事業部門を大きく4つに取りまとめることができそうということなりました。
8つの事業部門を4つに取りまとめるにあたって、バックオフィスをホールディングスとし、4つの取りまとめを、それぞれ分社化(子会社化)する方向となりました。
法人を複数にすることで、管理費用がかさむ懸念もありましたが、当該事業者様においては、それを考慮しても、こうすることによる経理ご担当者のキャパシティ確保や、将来、M&Aによる譲渡可能性を鑑み、分社化にて進めていくとの判断に至りました。
会計・経理の主要部分は、引き続き、ホールディングスにおいて、現ご担当者が中心となり担っていきつつ、子会社については、社内での人材が育ってくるまでは、外部の代行会社に支援を仰いで、タイムリーな業績把握に努めていく形式で進めていくことになりました。
(今後、消費税インボイス制度への対応も必要となり、現行のキャパシティでは足りないので、育成期間は外部を活用するとの判断ですね)
法人を複数、会計業務担当者も複数人になる、ということで、会計ソフトも変更する必要が出て参りました。
会計ソフト変更との関連もあるのですが、顧問の税理士先生も変更する必要が出て参りました。
当該事業者様が進めて参りたい組織再編に長けた方であればよかったのですが、そうでない場合は、新たな方に顧問税理士としてお願いしなければなりません。
この辺りは、自分(坂)のお付き合いのある税理士先生の中で、組織再編にも詳しい方税理士先生をご紹介し、その先生に引き継いでもらうこととなりました。合わせて、会計ソフトも新たなものに変更していくことになりました。
さらに、こうした流れを進めていくにあたって、金融機関のご支援ご協力も仰いでいかなくてはなりません。
前述の税理士先生と同様に、事業者様の成長スピードや、成長の段階や規模に応じて、現行のお付き合いしている金融機関ともご相談しながら、ご支援ご協力がいただけるのか、ということを判断していかねばなりません。
いろいろとお話しさせてもらっているのですが、今のところ、現行のままでは、正直、厳しいかな、というところでして、新たな金融機関にも参加しもらうことで、当該事業者様のグループ全体としての成長スピードを損なわず、拡大していくように伴走支援していければと考える次第です。
それにしましても、こうした成長企業の取り組みはワクワクしますね。
自分(坂)も、お付き合いのある信頼のおける専門家の方々や協力会社様がいることで、こういった提案を進めていくことが可能となっています。本当に有難いことです。
当該事業者様のような事例にあてはまる方で、もし、お困りの場合は、お気軽に弊社まで、お問い合わせくださいませ。何かしら、ご相談に乗れることと思います。
それでは、この度の情報が、ご参考になれば幸いです。
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