『 支援する人の客観的な視点を活用する 』 -2023年09月20日号
金融庁から2023事務年度金融行政方針が発表されました。
金融行政方針とは各事務年度において金融庁がいかなる方針で金融行政を行っていくかを示すものです。要は金融庁の年度毎の考え方ですね。
これを基に金融庁は動きますので、自ずと管理監督されている金融機関は意識せざる得ません。
今回、特徴的だったのはコロナ禍からの転換期において
1.経済や国民生活の安定を支え、その後の成長へと繋ぐ として
- 金融機関による資本性劣後ローンやREVICの活用等の事業者の実情に応じた経営改善支援や事業再生支援等の徹底を促す。事業者支援に関する重点的なヒアリングの実施を通じて金融機関の取組状況を確認し把握した課題等について継続的に対話を行う
- 事業者支援能力の向上に向け事業再生支援に関する知見・ノウハウの地域金融機関への展開、経営人材のマッチングの促進等を行う
- 事業者の持続的な成長を促す融資慣行の形成に向け「 経営者保証改革プログラム 」の推進や事業全体に対する担保権の早期制度化に取り組む
の3点が示された中で資本性劣後ローンという個別融資手法について記載が上がった点です。
コロナ禍により債務過多になった企業への対処療法として国としても動かざる得ない状況というのが垣間見えます。
更に1つ目、2つ目の・にも記載してある事業者支援という文言。これは過去の金融行政からも毎年と言っていいほど記載されています。ただ今年度これまでと違った形で出てきているのが過去の事業者支援の一つのカタチといっても良い【業種別支援の着眼点】が示されていることがあげられます。
業種別支援の着眼点とは事業者支援を行う際に金融機関や専門家が業種を理解するために、その業種の要点を纏めたものといえば、分かりやすいでしょうか?
詳細を知りたい方は以下URLより直接データを取得していただければよいのですが、
https://www.fsa.go.jp/policy/chuukai/0330gyosyubetu_00.pdf
各業界の特性が記載してあり、例えば建設業であれば個別視点として
- 近未来への対応:低コスト工法や環境系技術への投資
- 需要減退期への対応:工事業種別歩掛管理の導入
- 人材不足への対応1:労務管理と最新技術への関心
- 人材不足への対応2:外国人技能実習生との良好な関係構築
があげられており、建設業の中で優劣が付いているポイント(儲けの源泉)が記載してあります。
こういった視点においては自社の経営を見直す際のポイントとして是非積極的に確認していっていただきたいです。
【業種別支援の着眼点】には他業界についても記載があり、具体的企業事例もあるので現在の利益に不足感があり、借入が膨らんでしまった企業には是非参考にしていただきたいものです。
今回の情報がお役に立てれば幸いです。
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