『 返済をすれば折り返し融資が出ると思っていませんか?・・・ 』 -2023年11月01日号
私はコンサルタントとして顧問先の経営者の方、従業員の方と日々改善に向けた活動をしておりますが、その業務以外に電話相談、面談等の業務も行っています。
色々なお悩みをもつ経営者の方がまずは電話相談に申込をされ、簡単なヒアリングを行い、その場で解決策が出るものは電話相談で終了。電話相談だけでは解決できない先については日を改めて決算書等の必要書類を準備して頂き面談を行います。その時に必ず私は次の質問をさせていただきます。お金がない時に何を優先的に支払うのか?
- 税金・社会保険
- 人件費(給与)
- 取引先(仕入資金・外注費)
- 金融機関融資の返済
上記の順番だとお答えになる経営者の方が多いのですが、中には④銀行の融資の返済を②番③番にあげられる経営者の方が時々おみえになります。
よく見てください。
①は強制力が強いもので何よりも優先すると言われています。つまりすぐに差押え等を行います。
②③は支払う事で、お金につながります。つまり売上になってそれ以上のものになって帰ってきます。
④は返済する事でまた融資をしてくれるというところではないでしょうか?
ではこの④についてもう少しお話にお付き合いください。
皆様は『折り返し融資』という言葉をご存知だと思います。
折り返し融資とは
例えば運転資金を金額10,000千円 期間5年(毎月の返済元金167千円)の長期借入にて資金調達をしたとします。
長期借入金は毎月返済を行いますので、借入残高が徐々に減っていきます。
3年後の残高は10,000千円-(167千円×36回)=3,988千円となります。
その時に運転資金を再度10,000千円 期間5年(毎月の返済元金167千円)にて申込を行い条件として既存融資(3,988千円)を返済条件にする事で真水は6,012千円となりますが、毎月の返済額も同じで返済負担も増加しない借入方法です。こちらがよく言われる『折り返し融資』というものです。
つまり返済すればまた貸してもらえる!
だから金融機関融資の返済が②番③番にされる経営者の方がみえるのだと思います。
冷静に考えてください。
融資には絶対に借入できるという保証はありません!
長期借入ですので、当然自社の業績も変動します。業績が変わら化ければ借入できる可能性はあります。
しかし業績が同じでも他行にて資金調達をおこなった結果、借入が増加し借入ができなくなる可能性もあるということです。
業績が悪くなれば、尚更難しくなるという事です。
ではどうしたらいいのか?
業績向上に努めるのはもちろんですが、常に返済原資以内の返済額にしていく事が必要ではないでしょうか?
返済原資以上の返済を行へば当然預金が減少します。預金が減少するからまた借入を行うとなると思います。
はっきり言います。借入の資金使途を運転資金と記入されていますが、本当の資金使途は『銀行の返済資金』ということです。
経常運転資金は『短期継続融資』設備資金は『償却年数で』劣後融資の有効活用
金融機関様から言われるがままに資金調達をおこなうのではなく、自社で考え資金調達を行うのです。
もしこの話を聞いて、どうしたらいいのか? と思われた経営者の方は私に相談してください。
続きまして、私の現場で実際におきた案件についてお話させていただきます。
ある企業様が事業再構築補助金の申請をされた時の話です。
以前よりメイン銀行様にはその旨の相談を行い、実際に計画書ができたので計画書の提出を行い金融機関様の確認書を依頼したところ、申請期日の3日前の夕方に出せないという連絡が入りました。
実際にそのタイミングでのお断りは今回の補助金はあきらめなさい! に等しい通達でした。
しかし翌日他の金融機関様へ依頼をしたところ、何とか間に合わせることができました。
後で聞いた話ですが、メイン銀行の支店長様は自行でできなかったが、他の金融機関様への連絡依頼をしていただいていたみたいです。
本当に関係者の皆様には感謝です。
ただ一つだけ言えるのは、『絶対』はないという事です。
だから折り返し融資にも絶対はないのです。
『本当にどんな些細な事でも相談して欲しいと・・・まずは私に一本の連絡!』
・・・そして何が出来て何ができないのかをひとつづつ一緒に考えていきませんか? 私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。
以 上
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